価値 : 銀時 ページ11
何が………
銀「いつもやって見せてるんだろうか。
だよおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
遊女に片想いって、どんだけ
頭イカレちまったんだよぉぉぉぉぉ!!!」
桂「朝っぱらから、騒々しいぞ。銀時。
お前の頭のイカレ具合は
かぶき町、皆が知っておる」
銀「俺、今何言われても言い返す気にならねぇ」
桂「相手は遊女だぞ。
お前に見せた、去り際の笑顔も
毎晩何人にも見せている、
あなたにまた逢いたい営業スマイルだぞ!!」
銀「ああ…あの笑顔ね、
超可愛かった。何だよ、あれ。
悪魔だよ、小悪魔どころじゃねぇ、悪魔だよ」
桂「………エリザベス、
もうあの頃の白夜叉は帰って来ぬぞ」
エ[ここまで朽ち果てるとは…無念]
銀「何とでも言ってくれ……」
ふらふらと吉原を後にして俺は
真っ直ぐ、帰る気にもなれず
屋台のラーメン屋の暖簾を潜って座ると
そこはJOYラーメン店とかいう、
ぼったくりテロリストの店だった。
桂「うちはぼったくりなのではない!!
ほれ!手打ちそば一丁!!!」
銀「ラーメン屋じゃねぇのかよ!!!」
桂「幾松殿に、宣伝も兼ねて出ろと言われたのだがな
生憎、俺はそばしか打てん」
銀「やっぱり、ぼったくりじゃねぇか…。
いや、いい。お前のことなんかどうでもいい。
マジ、どうしよう。太夫クラスなんて
もう二度と逢えねぇじゃねぇか……」
桂「いいことではないか。簡単に諦めもつく。
上物しか相手にせんのであれば、
あと5年もすれば、身請けられるだろう」
銀「…………太夫の身請けって
いくらあれば、出来んの?」
桂「……っはぁ。
白夜叉の首と腸並べたとて、
塵にもならん額だ」
銀「……俺、んなに価値なかったのか」
はぁ、とため息混じりに
ヅラがことっ、と水を差し出した。
桂「…銀時、本気なのか。
確かに以前の吉原とは変わったが
どれ程、想うたところで遊女は遊女。
お前のように嫉妬心を増幅させて
自分の首を締めるような男が
相手にできるような玉ではない」
銀「男なんて所詮、嫉妬心と
相反するプライドでできた怪物だろうが。
ああ、俺手しか握ってねぇよ!!」
桂「分かっておるなら、
これを飲んで少し頭を冷やせ。
今日は帰って早々に寝ることだな」
エ[そして、そばを食え]
桂「うむ。食べ物を無駄にすることは許さぬ」
銀「うっせぇ、母ちゃんだな。
ったく、わぁったよ。ずず…うっま!」
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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時