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未だ早い ページ2

ああ。



わたし、死ぬのかな。



頬は土に汚れ、
衣服は破れ朽ち、
こんな見窄らしい姿で。



ごろり、と空を仰ぐと
雲一つない綺麗な青空だった。



ああ。



いいか。
こんな綺麗な空の元なら、まだ。



短かったなぁ。
わたしの人生。



死んだら、転生するなんて
聴いたことがあったけれど、ほんとかな。



次は、もう少し
マシな人生かな。








じゃり………








「……?」






?「お前、そこで何をしておる」






「…………」








ボヤける視界で寝転がったまま、声の主を探す。
きらりと一瞬、眩しかった太陽の陽は
日傘だろうか、声の主が遮った。

随分と大柄のようで、声の低さからしても
いい歳のおじさんみたいなのに、何をしてるのかって?
おかしくて、ふっと笑ってしまった。








?「……ここでくたばるには、未だ早い。
…おい、こやつを連れて行け」








その声と共に、わたしは何人かの人に
抱き抱えられ、早駕籠か何かに乗せられた。








揺れる中、意識が遠のいていく。








?「間に合わん。ここで手当してやれ」







偉い人なんだろう。
一言で何人もが動き出す。
金持ちはおじさんでも日傘を差すのか。






すす…






「……、、」







土汚れた頬を、その大きな手が触れ
わたしは眼だけで見上げる。






高圧的で威圧的で温かみなど、
どこにも持ち合わせていなそうな
白髪のおじさんの眼は







死に損ないのわたしを
ただただ、見下ろしていた。

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

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