不器用 ページ15
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「じゃあ早速、調査しに行くで。どっからにする？」
「とりあえず街の様子とかを見ていくのは？」
「よし、そうしよか！」
スキップしそうな勢いで街へと向かっていくロボロさん。彼と はぐれないように背中を追う。
今調査しているこの国はお互い隣国同士なので、時々関係を良くするために幹部同士で情報交換したり、国同士でイベントを行ったり。
なのであまり悪い印象は持っていない。むしろ良い国だと思っている。
そんな良い国、という印象のこの国は、やはり街並みが綺麗で荒れていない。まさに理想とすべき対象と言ったところだろうか。
この国と敵関係になるのは(私的に)ゴメンなので、もちろん幹部の方に愛想を振りまいている。上手くいってるかはわからないけれど。
「セレナ！あれ、見て」
「どれですか？」
「あのオシャレな店！」
ロボロさんが指した先にあった店は、明らかに女の子が好きそうな可愛らしい店だった。
もちろん私も例外ではなく可愛い雰囲気は好きなので、素直にいいお店だと感想を伝える。
すると途端に目を輝かせ、私の手をグイグイと引っ張った。
「せっかくやし、入ろ。セレナのほしいもん買ったる！」
「えっと………それはさすがに申し訳ないというか、」
「別に気にせんでええよ。俺が記念に買ったげたいだけやから」
ぐ、と言葉に詰まる。
あまり異性と経験がないって言ってたのに、なんで甘い台詞を自然に吐けるのだろう。
ロボロさんは常習犯だし、エーミールさんもロボロさんに匹敵するくらい甘い。
甘すぎて、頭が麻痺しそう。
「……お言葉に甘えても、いいですか？」
「！！もちろんええで〜！」
「なんだか、デートみたいですね」
「せや…………え、で、デート！？！？」
「デート、です」
「えっ。た、確かに、デート……っぽいかも、しれ、へんな…！」
さっきまで余裕そうだったのに私がデートと言った瞬間、あからさまに動揺して顔を赤く染める。
可笑しくなって、つい笑みがこぼれてしまった。
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作者名：かえち
| 作成日時：2019年11月3日 18時
