家に、北山ってやつが住み着きました。2

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北山side





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目を覚ました時




たまが、泣いてるのが見えた






思えば、初めて見るたまの涙に



どれ程辛かったのかが痛いほど伝わってきた







玉｢みつ……っ｣





何度も俺の名前を呼んでは、俺の存在を確かめるようなたま





もう、泣いて欲しくなくて



俺はたまの頬に手を伸ばした





たまは驚いたような顔をして、俺を見つめては、また俺の名前を呼んで笑ったんだ








こんなにも


俺を愛してくれる人が、どこにいるんだろう






ずっと……俺の傍にいてくれた




どんな時だって…








なのに俺は、そんなたまにいつも答えてあげることが出来なくて





沢山、泣かせてきたに違いない







玉｢みつ…もう、どこにも行かないでっ｣




『行かないよ……たまの傍に居る』







たまの、傍にいたい





沢山俺に愛をくれたたまに、今度は俺が答えてあげたい







玉｢みつ……？｣




『たま』







俺がたまの名前を呼んだ時





急に病室のドアが開いて、


あの人の姿を見た時は、俺はまだ夢を見ているのかもしれないって思った






だってそこには、俺がずっとずっと



好きだった、藤ヶ谷がいたんだから






『どうして……』




横｢大丈夫なの……？｣






この人は、誰……？



細身ですらっとしてて、モデルみたいな体型





たまの、知り合い…？





『どうも……』




横｢…もしかして、俺の事分からない？｣




『……すみません、会ったことありました？』






チラチラ目に入る藤ヶ谷は、どこか悲しそうな顔をして、俺を見ていた






その内、2人は出ていって






『たまの、知り合い？』




玉｢え？あー……常連さん｣




『そうなんだ』




玉｢みつのこと、知ってるって感じだったのに｣




『え？』







もしかして藤ヶ谷…あの日のこと覚えて……



……なわけないよな





たまの喫茶店で見かけたのかな






にしても、今かよ…って、




初恋の人だった藤ヶ谷は、



その恋をようやく諦められたその日に現れた






けどもう、戻らない





俺はたまを愛するって決めたんだから






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