おとなり (ページ41)

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北山side

．

誘いのメールに

喜ぶ君を見て

あいつが羨ましい

って、そう思った

俺には、君の心をこんなにも変えられない

ちょっとしたことで嬉しくなったり

不安になったり、悲しくなったり、悩んだり

『先輩っ、これどうですか？』

藤｢お、凄く似合ってるよ｣

『えへへ///』

｢はぁ…｣

俺なんで、来たんだろ

藤｢Aちゃん、見て笑｣

『あっ、これ！先輩が取り上げた…確か、カオマルくん！』

トマトにナスにピーマンに

…なんだその顔

ﾑｷﾞｭｯ

こいつに八つ当たり

『変な顔～笑』

藤｢可愛いでしょ笑｣

なんか…

『先輩はピーマンっぽいです』

藤｢え？笑じゃあAちゃんはこれ｣

『赤ちゃんですか？笑』

｢…俺帰るわ｣

『え！』

どうしてっ

みっくん帰ったら先輩と二人きりになっちゃうよって

小声で伝えてくるAだけど

｢わりぃ、終わらせなきゃいけない仕事があってさ｣

『…そう、なんだ』

藤｢ごめんな、急に誘って｣

｢いや、気晴らしになったし、誘ってくれてありがとな。じゃあまた｣

遠くなった2人をみた

…なんか、いい感じなんじゃねぇの

って、

…馬鹿じゃねぇ

なにしてんだよ、俺は

｢…好きだ｣

きっとずっと

届くはずのない言葉

離れていたら、いつだって呟けるのに

近づけば近づくほど

言えなくなるのは

…君があいつを愛しているから

．