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北山side
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『ごめんねみっくん…』
『はいこれ…』
お詫びの記しなのか
遠慮がちに
買ってきたんだって、俺の好きなつまみを
渡そうとしたA
でも、なんだか意地悪してやりたくなって
「…やだ、許さない」
なんて、言うと
明らかにしゅんとするAが可愛くて
「ふふ、嘘だよ。ありがとう」
素直に受け取れば、Aも嬉しそうに笑ってくれる
藤「なぁ北山」
「あー?」
藤「お前いつも家にいるよな。」
『ほんとだ〜。みっくん会社帰りとか出かけたりしないの?』
たまに、飲みに行こうと誘われても
断ってる
Aが、いつ来てもいいように
なんて
本当は俺が、Aに会いたくてしょうがないから
「疲れてるだけ」
だから、早く帰ってきてるだけ
Aはきっと
俺の嘘には一生気づかないんだろうな
でも、それでいい
気づかないでいい
Aにはずっと
そのまま、真っ直ぐでいて欲しいから
俺で悩ませてしまうくらいなら
何も知らなくていい
『彼女とかいないのー?』
「…いないよ」
『好きな人も?』
『いないのか〜』
そっかそっかってなぜか納得するA
ばか、お前だよ
「…いるよ」
『えっ…?』
ねぇA、少しでも
悲しんでくれる?
俺にもし、そういうがいたら
『そっか。上手くいくといいねっ』
なんて…
わかりきっているのに
もしかしたら、なんて期待して
『相談なら聞くから!』
「…ありがとな笑」
『聞く…からぁ…っひく』
「お前飲みすぎだっ」
藤「Aちゃん〜?笑」
はぁ…どんだけ弱いんだよ
藤「寝ちゃったね」
藤ヶ谷が、Aの前髪をそっとかき分ける
その瞳がなんだか優しくて
俺は少し焦りを感じた
「なぁ藤ヶ谷」
「お前、Aをどう思ってる?」
気づけばそう聞いていて
なぁ、違うよな…
お前には、大好きな彼女がいるんだろ
なんて思う俺は
Aを全然応援してやれてなかったんだ
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作者名:ももみつ | 作成日時:2019年8月23日 10時