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騎馬戦も終わり、勝ち上がり戦が始まった。ヒーローらしくと言うべきか、ヴィランのようだとでも言うべきか。様々な思惑と策略の入り交じった試合が繰り返される。
今は、出久と轟家の末子との勝負の真っ最中で。
あまりにも自己犠牲を惜しまない出久の戦い方に、観席含め私は眉を顰めていた。
( ……嗚呼、厭だ。厭なことばかり思い出す。)
いつの日か、時間遡行軍の大群を押し留める為に我が身1人で行方を眩ませた淡い三日月の光を思い出す。
心の引き裂かれる想いで、私は、私たちはなんとかその手を引き戻した。ひとつ、ひとつ、花弁が散る度に私は自分の無力さを知った。
それすらも、茶番劇だと知らずに。
「…………ﾁｯ」
無意識に出た音は、彼らの激しい戦いの轟音によって溶けて、空に消えていく。黒黒とした感情で覆いかぶさられそうになる視界を、なんとか深呼吸を繰り返し落ち着かせる。
改めて中央に目を向ければ、試合も終盤で。
1回くらい、言っとこう。
声を張り上げた。
「頑張__」
「焦凍ォォォオオオオ!!!!!」
「……」
途端、隣の通路を勢いよく駆け出した炎の巨躯に塗り替えられる。その声が、言葉が、所作が、あまりにも不細工で。
複雑な思考をする間もなく、真っ先に身体が動いた。
「＿＿＿＿＿＿【黙れよ】、雅じゃないな。」
「〜〜ッ…!?!?」
幾分か静かになった客席。
決着のコールも鳴り、各々が感想や講評述べる中、彼は私の眼前に立ち塞がった。
「貴様、神守Aだな…!!?さっき俺が喋れなくなったのは、貴様の''言霊''のせいだろう…!!?」
じわりと汗の滲んだ肌に、黒髪を結い上げようとしていた手を止める。青空を背景に、No.2ヒーローであり轟家の大黒柱、エンデヴァーは此方を睨みつけた。
「確かに、私の個性は''言霊''ですが、私がやったという証拠は？大体、あのように観客席に割り込み後方にいる方々の邪魔になるとは考えなかったのですか？
あなたのような自己中心的な思想はいつか社会から危険因子として排他されます。己を滅ぼしますよ。」
「何!?子供が屁理屈ばかり覚えよって…!!俺は焦凍の父親だ、アイツに叱咤激励する義務がある!!!」
「…」
「あっおい!!どこへ行く!?!?」
お昼休憩を挟んだことにより、蠢く群衆に紛れ込んで逃げた。
あれがヒーローだと言うのなら、ねぇ、先生、私はそんなもの成りたくないよ。
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！！！(プロフ) - ほしくずさん» ありがとうございます！！特に気を遣っている部分なので気に入っていただけて嬉しいですです(；；)頑張らせていただきます！！ (2023年2月25日 18時) (
レス) @page19 id: 7d2d3f9643 (このIDを非表示/違反報告)
ほしくず(プロフ) - 刀剣乱舞の事は名前しか知らないのですけど綺麗で儚い言葉が沢山紡がれていて引き込まれてしまいました…！！応援してます！！ (2023年2月24日 22時) (レス) @page19 id: 64bb885ea9 (このIDを非表示/違反報告)
！！！(プロフ) - 百華夜さん» ありがとうございます(TT)拙い更新ではあえいますが頑張らせて頂きます…！！ (2023年2月18日 1時) (レス) id: 7d2d3f9643 (このIDを非表示/違反報告)
百華夜 - 神作品の予感が…！更新頑張って下さい、応援してます。 (2022年11月29日 21時) (レス) @page9 id: a48955bec9 (このIDを非表示/違反報告)
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