HelloHello (c63) ページ7
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｢葵さん、まだ彼氏おらんの？｣
｢…何か言ったかな、西川くん｣
広島東洋カープの球団職員として勤務をしている私には、なぜか付き纏ってくる若者がいる。彼は入団してから、何かと葵さんと声をかけてきた。しまいには、飲みに連れて行け、めしを食わせろ、最近は特に言いたい放題である。
西川龍馬選手。片手で足りるくらいに年下。かっこつけで、女にモテて、意外と気遣い上手な男の子。彼がなぜ、私に纏うのかは分からない。もっと可愛くて若い女の子だって、周りにたくさんいるだろうに。そもそも私の仕事は、選手と直接関わるようなものではないのに、西川龍馬のおかげで他選手にも顔を覚えられてしまった。
目立つのは好きじゃない。正直言うと迷惑なのだ。この人のせいで若い女の職員から、時々疎まれてしまったり、焼きもち妬かれてしまって、多少なりとも仕事に影響をきたしている。
｢だーかーらー、葵さんまだ彼氏おらんの｣
｢ついに疑問形じゃなくなりましたね！｣
｢うお、めちゃ怒るやん｣
｢あんたよく女の人にそんな失礼なこと聞けるね｣
｢えー、だって葵さんやからええかなって｣
｢……殴られたいのかな｣
誰もいないオフィスで事務仕事。他職員はすでに帰ってしまっていた。今日はデートだから残業ができないと嘆いていた後輩の仕事を代わりに受け持つと、デートのない私は残業となる運命だった。
いいんだ、しばらくは仕事が恋人なんだ。広島にいると、球団職員なんて意外と羨ましがられるし、それはそれでモチベーションに繋がる。
デスクの周りをうろうろする西川選手に気付かないふりをして、私はパソコンと向き合う。画面と向き合いすぎて、少し目がチカチカした。
｢葵さん働きすぎちゃうん｣
｢仕事が恋人なのでいいんです｣
｢悲しいー｣
｢やかましい｣
｢…他の人の仕事まで葵さんがやらなあかんの？｣
｢…あんたなんで知ってるの？｣
そう言うとバツが悪そうに、盗み聞きしたことを認めた。いつから居たのか分からないが、聞くつもりはなかったと釈明する彼に、小さなため息をつく。
｢葵さんもうやめーや｣
｢受け持った仕事は責任持ってやるのが大人、｣
｢せやけど、顔色悪いで｣
｢大丈夫。もう終わるから｣
｢……｣
諦めたのか、空いている椅子に座る西川選手。まさか待ってるつもりなのか、と横目で見ながら、すぐ画面に視線を戻した。
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aoi(プロフ) - りょうさん» りょうさま、こんばんは＊コメントありがとうございます。いつもあたたかいお言葉、本当にうれしいです。これからもそう言ってもらえるおはなしを、書いていけたらなあと思います！ (2019年11月7日 20時) (
レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 更新ありがとうございます。やっぱりaoiさんの文章大好きです…きゅんきゅんしながら読み返しました。これからも楽しみに更新お待ちしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: 087b3fd508 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - りょうさん» はじめまして＊こちらこそ、もったいないお言葉ありがとうございます。これからも読みたいと思ってもらえるおはなしを、描いていければなあと思います！コメントありがとうございました＊ (2019年10月23日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
りょう - はじめましてaoiさんの野球選手小説大好きで、何回も読みに来てしまっています。また新しいお話を書いてくださるのを楽しみにしています！ (2019年10月23日 16時) (レス) id: 087b3fd508 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます＊気が向いたら、おはなしを思いついたら、書きたいなあとは思っています。はっきりと言えませんが、また遊びにきてくれると嬉しいです＊ (2019年7月30日 22時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi | 作成日時：2019年2月18日 23時
