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鬼ごっこに負けた私は、渋々上林くんをアパートに招いた。まあまあ人通りがある道で鬼ごっこをしてしまった私たち。上林くんの存在が少しずつバレ始めてしまったから、仕方なく!そう、仕方なくアパートに避難したのだ。

暖かいカフェオレをふたつ。大きなひとが来たから、炬燵が小さく感じる。上林くんから距離をとって座ってみたけれど。



「ここ」



隣に座れとばかりに、険しい顔でクッションを叩く上林くん。うわあ、こわい。迫力がありすぎて、あっさり心が折れた私は、身体を丸めて隣に座った。

この間までのかわいい上林くんはどこへ。いつからこんな、男らしくなってしまったの。



「……なんですか上林くん」

「葵さんが避けるから待ち伏せしました」

「待ち伏せとかこわいです」

「連絡を無視するひとが悪いと思います」

「……知りません」

「うわ、最低」

「ちょっと前までのかわいくて優しい上林くんを返してください。こんな強引な上林くんはお返しします」

「どっちも俺です。葵さんにはこれくらいでいかないと、男として見てもらえないと思ったので」

「……何言ってるのか分かりません」

「…嫌いに、なりましたか?」

「……っ」



ずるい、こんなときだけ、かわいい上林くんを出してこないで。落ち込んだような表情で俯く。悔しいけど、少しきゅんとしてしまった。

だめ、この人は好きになってはいけないひと。



「きら、いではないです」

「じゃあすきですか?」

「そ、そういうのは聞いてはいけないと思います」

「聞かないと、いつまで経っても返ってこないので」

「……上林くんは、住む世界が違うと思います」



ぽろり、本音を零した。嘘をついたら見抜かれる。上林くんは俯きながら、私の方を見た。



「どういう意味すか」

「そのまんまです」

「よく分かりません」

「……上林くんのこと、すきになったら、苦しいってこと…」

「葵さん、」

「な、に…」


「すきです」



驚いて顔を向けると、綺麗な顔が近くにあった。そのまま、唇と唇が触れて、どこにも逃げられなくなった。

‥→←愛がみえた (sh51)



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aoi(プロフ) - りょうさん» りょうさま、こんばんは*コメントありがとうございます。いつもあたたかいお言葉、本当にうれしいです。これからもそう言ってもらえるおはなしを、書いていけたらなあと思います! (2019年11月7日 20時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 更新ありがとうございます。やっぱりaoiさんの文章大好きです…きゅんきゅんしながら読み返しました。これからも楽しみに更新お待ちしてます! (2019年11月7日 1時) (レス) id: 087b3fd508 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - りょうさん» はじめまして*こちらこそ、もったいないお言葉ありがとうございます。これからも読みたいと思ってもらえるおはなしを、描いていければなあと思います!コメントありがとうございました* (2019年10月23日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
りょう - はじめましてaoiさんの野球選手小説大好きで、何回も読みに来てしまっています。また新しいお話を書いてくださるのを楽しみにしています! (2019年10月23日 16時) (レス) id: 087b3fd508 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます*気が向いたら、おはなしを思いついたら、書きたいなあとは思っています。はっきりと言えませんが、また遊びにきてくれると嬉しいです* (2019年7月30日 22時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2019年2月18日 23時

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