‥ ＊ ページ22
＊大人な向けです。注意。
＿
｢……っ、かめ、さ…もう、やっ｣
｢…もうあかんの？挑発したの、葵やで？｣
｢そんな、してな…いっ｣
｢……無意識でなら、なおさらあかんな｣
体に力が入らない。それなのに亀井さんは、逃がさないとばかりに力強くて、甘い痺れにふらふらしてしまう。
グラウンドに立つ、真剣な亀井さんとは別の、私だけに見せる男の人な顔。意地悪と甘やかすことを、楽しんでいる、大人なひと。ただ、少し汗をかいた額が、余裕のなさを見せている気がして、嬉しかった。
｢…は、ぁ……｣
｢葵、｣
｢ん、んぅ…は、｣
塞がれた唇から、吐息が漏れる。翻弄されて、腑抜けた体は、言うことなんて聞かないから、されるがままで。気持ちええな？、なんて聞いてくる亀井さんの言葉に、素直に頷くしかなかった。
ふわ、と体が浮いて、目線が上がる。亀井さんが下にいて、私の額に張り付いた前髪を、優しく解いた。
｢おじさんを本気にさせたらこうなんで、｣
｢…っ、もう、言わない……｣
｢えー、それはそれで寂しいやん｣
｢からだ、もたない…っ｣
｢…たまには、な？許して、｣
再び始まる、強い衝動。すぐ高みに登らされて、それは弾ける。体は大きく跳ねて、呼吸が荒くなって、涙が流れた。
かわえ、と笑うおじさんは、まだまだ余裕だ。私ばかり、亀井さんがすきで、だいすきで。伝われ、そんな思いを込めて、力いっぱい抱きついた。
｢なんや、…甘えたやなあ｣
｢だ、って…すきなの、亀井さ…っ｣
｢…葵｣
｢ん…？｣
ごめんな、そう囁かれて、亀井さんの力が強くなった。
｢やだっ…亀井さ、……っだめ｣
｢そんな、かわええこと、言うたらあかんよ｣
｢ふあ…っ、やあ、……っ！｣
｢学ばん子やな、｣
｢あ、ぁ…っ、やー…っ｣
強い波に飲まれた。そのまま、もう一度ベッドに寝かされて、噛み付くようなキスをされた。
薄れそうな意識の中、亀井さんが優しく頭を撫でてくれた。これからもよろしくな、と、私を引き寄せて、包んでくれたから、
｢亀井さんの、奥さんになれて、よか…った｣
そう、だいすきな気持ちを伝えて。亀井さんは、ふ、と笑って、もう眠り、と言葉をくれた。そのまま、甘えるように目を閉じると、額に柔らかいキスをくれた気がした。
＿fin
大人なおじさまに、甘やかされたいだけのおはなしでした。
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aoi(プロフ) - りょうさん» りょうさま、こんばんは＊コメントありがとうございます。いつもあたたかいお言葉、本当にうれしいです。これからもそう言ってもらえるおはなしを、書いていけたらなあと思います！ (2019年11月7日 20時) (
レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 更新ありがとうございます。やっぱりaoiさんの文章大好きです…きゅんきゅんしながら読み返しました。これからも楽しみに更新お待ちしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: 087b3fd508 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - りょうさん» はじめまして＊こちらこそ、もったいないお言葉ありがとうございます。これからも読みたいと思ってもらえるおはなしを、描いていければなあと思います！コメントありがとうございました＊ (2019年10月23日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
りょう - はじめましてaoiさんの野球選手小説大好きで、何回も読みに来てしまっています。また新しいお話を書いてくださるのを楽しみにしています！ (2019年10月23日 16時) (レス) id: 087b3fd508 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます＊気が向いたら、おはなしを思いついたら、書きたいなあとは思っています。はっきりと言えませんが、また遊びにきてくれると嬉しいです＊ (2019年7月30日 22時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi | 作成日時：2019年2月18日 23時
