愛にふれた (sh51) * ページ12
*苦手な方はお気をつけください
○愛がみえた のふたり
_
「……ふ…っ、やあ」
こんなの、私知らない。
上林誠知はやっぱりいじわるだ。
上林くんとのお付き合いも慣れた頃、大人なふたりが付き合うのだから、身体を求められることは自然なこと。だけど、こんなに翻弄されて、ふにゃふにゃにされるなんて初めてで。
優しく触れる大きな掌と、何度も何度も体中にキスをする唇が、途切れる思考をさらに奪っていく。
「や…っ、うえば、やしく……」
「…やなの……?…本当に?」
気持ちよさそうな顔してる、少しいじわるそうに笑う。だけどそこには愛情が詰まっているのを感じて、思わず強く目を閉じてしまう。頬を撫でられ、額にキスをされて、かわい、と呟く彼はまだまだ余裕だ。
ひとつになったまま、彼の膝の上に座らされる。小さな動きにも反応してしまい、それが恥ずかしくて、手の甲で唇を抑えた。
「……っ…」
「こら、声抑えない」
漏れる声を抑えていた手を剥がされる。そのまま指を絡めるように繋がれて、上林くんは微笑んだ。
「や…だ……っ」
「なんで?聞きたい、かわいい声」
「…っなんで、そんな……っ、恥ずかしくなること、言うの……」
「葵さんの反応がかわいいから」
「……っ、いじ、わる…」
「…葵さんにだけね」
「っ、やあ…っ!」
ぐっと強く求められて、思わず背中に腕を回す。そのまま衝動が続くから、言い返すことなんてできなくて。波に呑み込まれないように、意識を保つので精一杯になった。
どこに触れられても、彼から与えられる刺激は、私を溶かしてしまう。力強い両腕から逃げることなんてできなくて、何度も唇を塞がれた。
「あ…っ、ふぅ…んん…っ」
「は…っ葵さん」
「ん……っ、はあ……」
「誠知、って呼んで…?」
「……っ、」
朦朧とする意識。腑抜けてしまった身体と思考は、もう何も考えられず、素直に受け入れるしかなかった。
「…せ、…じ…っ」
「ん、もっかい…」
「……っせい、じ…!」
「…よくできました」
嬉しそうに笑って、ご褒美あげる、と私を押し倒した彼に、為す術もなくて。ぐしゃぐしゃに溶かされて、惑わされて、強い衝動を耐えるしかなかった。
彼の少し乱れた呼吸と共に、身体の奥で何かが弾けて消えた。
_fin
描きやすいふたりで、大人なはなしに挑戦してみました…!上林さんで連載をかきたいです。
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aoi(プロフ) - りょうさん» りょうさま、こんばんは*コメントありがとうございます。いつもあたたかいお言葉、本当にうれしいです。これからもそう言ってもらえるおはなしを、書いていけたらなあと思います! (2019年11月7日 20時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 更新ありがとうございます。やっぱりaoiさんの文章大好きです…きゅんきゅんしながら読み返しました。これからも楽しみに更新お待ちしてます! (2019年11月7日 1時) (レス) id: 087b3fd508 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - りょうさん» はじめまして*こちらこそ、もったいないお言葉ありがとうございます。これからも読みたいと思ってもらえるおはなしを、描いていければなあと思います!コメントありがとうございました* (2019年10月23日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
りょう - はじめましてaoiさんの野球選手小説大好きで、何回も読みに来てしまっています。また新しいお話を書いてくださるのを楽しみにしています! (2019年10月23日 16時) (レス) id: 087b3fd508 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます*気が向いたら、おはなしを思いついたら、書きたいなあとは思っています。はっきりと言えませんが、また遊びにきてくれると嬉しいです* (2019年7月30日 22時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aoi | 作成日時:2019年2月18日 23時