ヌナの想い【JM】 ページ15
俺はヌナにテヒョンの気持ちをなんとかわかって欲しかった。
ヌナが辛い思いをしてきたことはわかった。
今だって辛いのかもしれない。
だから好きな人以外の人の気持ちとなんて、ちゃんと向き合う余裕ないのかもしれないけど…。
でも…テヒョンは本気でヌナのこと。
JM「ヌナはさ…俺たちのこと…どう思ってるの?」
「皆のこと?皆のことは…大切に思ってるよ。…それこそ家族みたいに」
JM「。。恋愛対象としては見れない?」
「見れないよ」
はっきりと言われてしまった。
JM「だからさっきもあんなこと言ったの?」
「あんなこと?」
JM「俺達は好きになってくれる人と幸せな恋愛しろって」
「…そうだね。だって皆には絶対好きになってくれる人いるでしょ。こんなに皆魅力的で、素敵な人達だし」
JM「でもヌナは好きになってくれないの?」
「だから私は…」
JM「テヒョンアは!ヌナのことが好きなんだよ!知ってるよね!?テヒョンアの気持ちにちゃんと向き合ってやってよ…お願い…ヌナ」
「ジミンさん…」
なぜだか俺が悲しくなってきてしまった。
そんな俺を見てヌナが静かに言った。
「私…テヒョンさんが羨ましかった」
JM「え?」
訳がわからず聞き返す俺。
「テヒョンさんは…いつも自分の気持ちに正直で…私にも思いを真っ直ぐにぶつけてきてくれた。私にはずっとそれができなかった」
それはわかる気がする。
俺もテヒョンを見てると羨ましくなることがある。
「こんなふうに自分の気持ちを素直に表現出来てたら、色々違ってたのかなって…。でも結局、私には出来ないんだよね。この先もきっと」
静かな口調で話すヌナ。
「私のことを好きって言ってくれたことは、ありがたいと思ってる。こんな若くもなくてウジウジ何年も片想いしてた何の魅力もない私に」
JM「そんな言い方…」
「でも私なんかにこだわらなくても、周りに素敵な人たくさんいるでしょ」
もしかしてヌナ…。
「今の私には、また誰かを好きになる勇気はない」
やっぱり。ヌナは怖いんだ。
また人を好きになって傷付くことが。
JM「そっか…」
俺はそれ以上何も言えなくなってしまった。
ヌナがどれほど辛い思いに耐えながらセジニヒョンのそばにいたのか、それは本人にしかわからないと思ったから。
俺なんかが容易く口を出しちゃいけないんだと悟った。
それだけの年月を、ヌナは1人で想いを抱えたまま過ごしてきたんだ。
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作者名:よぞら* | 作成日時:2021年12月1日 14時