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5話 ページ5

ミニゲームをやっても後藤は自らシュートを決めたりはしない。


ボールをカットしたり、ドライブでフリーの選手にパスをしたり。



「しっかり決めろよ」


「君がだよ、エースでしょ?」



後藤は笑顔でパスをした。


火神に凄まれても表情を変えることなく。


なんなら黒子にも真っ先にパスをして、自分が受け取ると、また別の選手にパスが回る。



「後藤と黒子のパスは速いな」


「完全に流れが持ってかれる」



日向と伊月は感想を言い合いながらもゲームに集中する。


日向がスリーを打とうとした時、背後から後藤がブロックしてきた。



「後ろから!?」



素早く動いてそのボールを拾った後藤はドライブで黒子にパス。


その黒子は素早く火神にパスを出す。



「っ!」



ダンクを決めた火神に、後藤は拍手をする。


それを見た後藤は一つ、イタズラを考えた。



「お前、さっきから何考えてんだ?」


「バスケのこと以外ある?」



後藤は火神に笑って、ディフェンスに向かった。



「ねぇ、次からの攻防戦、点が決まる事に俺が変わっていい?」


「え?何言って」



一年チームのポイントガードの降旗にそう頼んだ。


スモールフォワードとして機能している後藤は、ただ笑っていた。


それからというもの、後藤は小金井のマークからスタート。



「何考えてんの後藤」


「さぁ、なんでしょうね」



そう言って、後藤は小金井にパスが回ってくると、深く息を吐き出した。


その雰囲気の変わりように小金井は怯む。



(なんだ、コレ!
からだ、うごかっ)


「ほら、動かないと点取れないですよ?」



後藤は小金井に圧をかけた。


小金井が固まっている間に、後藤はそのボールを両手で受け取るように取った。



「嘘だろ……」


「ありがとうございます」



圧から放された小金井は腰が抜けた。


その事に全員が衝撃で、対して後藤は笑っているだけ。



「だから言ったでしょ?
天才なんで、って」


「っ、こんにゃろ」



日向がマークについたかと思ったが、また圧がかけられる。



「何人かかって来ても構いませんよ。
ほら、来てくださいよ」



その言葉と同時にアンクルブレイクで倒れた日向のフォローに伊月が入った。


伊月には鷲の目がある。


だが後藤はそれを利用して、向かい合う。



「本気で行かせてもらいます」


「なっ」



伊月でも姿を見失った。


まるで黒子のような動きをした後藤を。

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美園(プロフ) - 更新ありがとうございます!めっちゃ好きです (1月2日 18時) (レス) @page42 id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続き待ってます!! (12月27日 10時) (レス) @page41 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - 夢主君かっこいいですね!更新楽しみにしてます!無理せず、がんばってください! (2023年3月31日 22時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩こんぶ | 作成日時:2023年3月18日 23時

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