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17話 双子の資料 【蔵人】 ページ18

部下である三浦は

風見程ではないが俺の腹心だ。

その彼が俺に『言えない』となれば、

動かしてるのは俺よりも上の人間。

ヒントを寄こす辺り彼は優しいな。

ただの大学生というには無理がある身のこなし。

気配を消すのも慣れてるようだった。

「お疲れ様です!」

「風見、早速で悪いが佐久間尊について調べてくれ。」

「佐久間尊ですか?」

「ああ。」

「彼が何か?」

「何かあるかもしれない。」

「わかりました。急ぎますか?」

「そうだな、早めに頼む。」

上が三浦に何を指示したかは不明だが、

何かの事件の関係者か。

要注意人物なら接触はないな。

それか三浦の協力者。

あの素材は使い勝手良さそうだしな。

若いから警戒もされ難いだろうし、

いざとなれば切り抜ける度胸も身体能力もある。

性格に難有りだが。

のらりくらりとした性格は俺ですら手を焼く。



アレコレ考えながら書類を処理してると

風見が慌ててやってきた。

「大変です!!」

「そんなにヤバイ奴なのか?」



「彼は・・佐久間尊は、佐久間夫妻のお子さんです!」



バサッ

風見が持ってきた資料に目を通せば、

保護対象、極秘の判子。

「冗談だよな?」

「自分がその手の冗談言えないのご存知ですよね?」

「ん?妹が居るのか。」

双子の兄と妹か。

「しかもご両親の殺害現場に居たみたいですよ。

当時の資料に聴取が残ってます。」

「それは随分酷な事を。」

「15歳には辛い記憶でしょうね。」

「しかも俺が自宅に火を付けたとなれば

恨まれるだろうな。」

「それが最善の策とわかってくれると良いですね。」

「妹ってこの子か。」

今より幼いが間違いない。

この前街中で助けた女性だ。

俺に接触を続けるのは復讐の為か?

「お知り合いですか?」

「安室のな。」

「ややこしい事になってますね。

2人と同時に会ったらどうするんですか?」

「降谷を知ってる兄貴を黙らせる。」

「物理はやめてあげて下さいね。」

「あの、佐久間さんのご子息なら

2〜3発ぶん殴っても大丈夫だろ。」

「法律が許しませんよ。」

「随分肩を持つな。」

「彼の言葉を借りるなら『味方』らしいので。」

「なんだ?いつの間に仲良くなったのか?」

「降谷さんをネタに脅されて

一緒にパフェを食べただけです。」

「何言ってんだ風見。」

「ですから、悪い人ではないので手酷くしないで下さいね。」

「頭の隅に入れておく。」

18話 大切な兄 【作哉】→←16話 厄介なことに 【蔵人】



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作者名:作哉&蔵人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年1月6日 0時

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