16話 厄介なことに 【蔵人】 ページ17
さて、情報も入ったところで帰ろうか。
「今日はありがとうございました。」
「良いんだ。
俺は君たちには知る権利があると思ってる。」
「バレたら叱られますよね?」
「今の上司は確実に怒るだろうな。」
「バレないうちに帰りますね。」
「いや、こんな時間だしな。送っていく。」
時計を見ると日付が変わってた。
歩いて帰れなくはないけど。
「お言葉に甘えて良いですか?」
「さっきの駐車場に先に行っててくれ。」
「はい。」
スパイがバレて死んだらしい両親。
俺は正直これ以上どうこうする気がない。
というか出来ない。
藪をつついて出てくるのが蛇で済まない気がする。
ポーン
エレベーターが地下に到着して扉が開いた。
「げっ!」
「何故君がここに居る。」
「いやぁ奇遇ですね!はっはっは!」
「・・・まさか中に入り込むとはな。」
三浦さんの事は何としても隠さないと!!
「いやぁ、降谷さん居るかなぁって!」
「今目の前に居るぞ。会えて良かったな。
で?誰が内通した?今なら小言で済ませてやる。」
「ちょっと何言ってるかわかんないんで失礼しますねー。」
スルリと横を通ろうとしたら拘束されそうな気配。
「おっと。」
片手でバク転とか手首ピキってなったじゃーん。
しかもエレベーター行っちゃったよ?
乗りたかったんですよねー?
「何故避ける?」
「熱烈なハグなら歓迎ですけどねー。」
「ただの一般人じゃなさそうだな。」
「ただの大学生ですって。」
なんでもかんでもすぐ疑うのは職業柄仕方無いんだろうけど。
「ならサーカスでもやってたのか?」
「ジャグリングぐらいなら出来ると思いますよ。」
「君をこのまま帰すのは惜しいな。
俺とデートしないか?」
「ステキなお誘いですね!
でも取調室デートはお断りですかね!」
ジリジリとお互い出方伺ってるとエレベーターが開いた。
「何をなさってるんですか?」
やべぇ三浦さん来ちゃったよ。
「不審者を拘束しようとしてるんだがつれない相手でな。
悪いが手伝ってくれるか?」
「嫌だなぁ、降谷さん相手ならいつでも受けますけど
デート先が気に入らないって言ってるだけじゃないですか。」
「彼をここに呼んだのは自分です。」
「どういう事だ。」
「申し上げられません。」
「なんだと?俺が言えと言ってるのにか?」
「はい。自分からは申し上げられません。」
「なるほど。」
「では失礼します。」
三浦さん!まじ申し訳ない!
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