15話 一人でた戦う 【作哉】 ページ16
結局帰ってこない尊。何処まで行ったのか、ほんと謎。
心配してるこっちのみになってくれって感じで、もの凄くテンション下がる。いや、下がりまくってるからあげて欲しいのだけど。
私は、仕方なしに部屋に戻りお母さんが書き残した組織についての情報を整理することにする。勿論、鍵はかけてある。
パソコンを立ち上げ、いざあのデータへアクセス。
「はじめは何だろうって思ったんだけどね……」
遺書にはこう書いてあった。簡単にまとめると、「二人で協力し、たがいを支え合いながら生きていくこと。隠し事など、悩み事、それは二人で分割して分け合うこと」後――
『私達の後を絶対におわないこと――』
最後のそれは何度思ったことか。でも、まだ、やりたいことはいっぱい残っていたし、お兄ちゃんを置いて何ていけない。そもそも、お母さん達を殺した人たちに復讐するまで死ねない。
組織については、あまり書いていない。てか、そもそも私達を守るとかいってこんなの残してんだから意味があるって事だよね。
マウスとキーボードを打ちながら色々考えた。
組織は、黒い服を好んだ烏の集団。大きな犯罪組織で、幹部に上がるとコードネームがもらえるらしい。で、そのコードネームは酒にちなんだ名前だった。
お母さん達はスパイダとバレたが、他にもスパイだってばれて殺された人は一杯いたらしい。その中で、私達の力になってくれて、なおかつその組織から抜け出したFBI所属の赤井秀一?さん……を探すよう書いてあったんだけど。
日本の警察官としてどうかと……
「……でも、そこまでしてでも私達を助けたかった、守りたかったって言う意思は伝わった」
尊とも、もう少し仲良くできたら良い。
私は、パソコンをシャットダウンさせて棚へしまった。そして、ベッドの上に寝転がる。
お母さんと仲が良かった私。
お父さんに愛されていた尊。
愛されていたからこそ、愛していたからこそ、お母さん達は私達を守ってくれた。だから、今度は、それを返す番だと思う。
私は、安室さんから電話が来ていないか、メールが来ていないか確認した。きていないので、そのままスマホを投げた。
もう寝よう。
起きたら、尊は家に帰っているだろうし、そこまで心配しなくても……
「ねむ………」
私はそう言って、夢の中におちた。
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