２ ： ○○ × ヤンデレ ＝

爽やか×同級生×妄想＝ ページ11

： リョウ ：



生活の中に違和感を感じたのは、二週間ほど前からだ。
何かがおかしい。
それは確信できたのに、その何かは分からなかった。
君の隣に俺がいない。
そんなの当たり前だ。
俺は君の彼氏はおろか友人でもない、ただのクラスメイトだ。
…なのに、心の隅でそれは違うと誰かが叫んでいる。


「…えっ?」


名前を呼ばれ、体を微かに震わせてから瞬きをする。
何度か瞬きをした後に、ぼんやりした視界がはっきりしてくる。


「…あ、…ああ、ごめん…ぼうっとしてた」


俺を囲う女子生徒の内の一人が、珍しいねと笑う。
やっぱり最近、おかしい。
ぼんやりしていた時にも思ったことを、女子達を見てもう一度思った。


「…調子、悪くはないと思うけど」


あれ、今、何してたんだっけ。
おかしな行動をとらないように気を付けながら、周りに素早く目をやる。
ここは、自分の教室の前にある廊下。
俺の周りには数名の女子生徒と、からかってくる俺の友人の男子生徒が二名。
廊下にある時計が表示している時間は、昼休みの時間だ。
手元には、今朝コンビニで買った弁当。中身は空。


「ちょっと、ぼんやりするだけ。大丈夫だって」


心地の悪い空気の中、笑みを見せる。
肌に張り付くような、ベタベタするような空気が俺の周りにずっとある。
落ち着かない。
逃げ出したい気持ちを隠しながら、周りの生徒と会話を続ける。
何でもない話を繰り返して、笑って。また話をして。


「ははっ、なんだそれ。それは確かにお、かし、い…な………」


それを繰り返してすぐに、視界に君が映った。
中庭かどこかで昼食を食べてきたのだろうか。
彼女は一人の友人と、弁当箱が入っているであろう袋を抱えながら教室に入って行く。
その光景は、やっぱりおかしいように感じた。
…何処もおかしくない、いたって普通の日常の一部分のはずなのに。


( ど う し て ？ )


疑問を抱いた。

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