カジノD,D (ページ6)

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sk「Ladies＆gentlemen！！！今宵も『カジノD,D』にようこそおいらっしゃいました～！」
　佐久間の声に観衆の視線が集中する。一気に自分に視線が集まっていることを自覚すると、佐久間は更に口角を上げ、妖艶に微笑んだ。この瞬間が、佐久間大介が最も輝く瞬間だろう。彼は「舞台を盛り上げる」のが得意なのだ。パチン、と両手を打ち合わせる。
sk「どこのテーブルにも人が埋まり、まさに満員御礼！常に、我がグループのカジノをご贔屓にしてくださる皆様に、僕たちも頭が上がりません……。さあ、皆様も気になっていらっしゃるこちらのゲーム。演目は『ファイブカード・ドロー』！！！こちらにいらっしゃる紳士淑女の皆々様でしたら、一度は手にしたことがあるゲームではないでしょうか……おや？首を傾げているレディがおひとりいますね？」
　佐久間が妖艶に微笑むかけると、自分のことだと分かる数人の女性が、ビクリと肩を震わせた。その顔はどこか高揚しており……深澤はやってるなぁ、とため息が漏れた。隣にいた渡辺が「お～い早く進めろよぉ～」とニヤニヤしながら軽い野次を飛ばす。
sk「ご心配には及びません、初見のお客様の為にさっそくルール説明からまいりましょう」
　胸に手を当て、佐久間は顔を上げると、首だけ後ろに向け「阿部ちゃん！よろしく～！」とテーブルに座っている阿部に匙を投げた。
ab「えっ俺がプレイヤーなのに俺が説明すんの！？！？」
sk「だって俺がするよりも、阿部ちゃんがした方分かりやすいんだもーん」
ab「おーい！！！ディーラーが仕事をサボるな～～～！！」
　その時、目の前の席から突き刺さる不機嫌そうな視線。阿部は一つ咳ばらいをし、仕方ない、と口を開いた。
ab「……今から、ディーラーである佐久間が、トランプをシャッフル致します。その後、僕たちそれぞれに五枚、手札が渡されます。僕たちはそれを確認し、「捨てるカード」を決め、捨てた分だけ、親である佐久間から手札を貰い受ける……ポーカーで定められたルールにのっとり、強い手札を作っていく……よろしいですか？」
「よろしいもなにも、こんな長い余興はいい、気分が悪くて仕方ない！！！！」
ab「……承知いたしました、佐久間」

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