夢の扉が開いたようです (ページ19)

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door 18 ページ19

楽しい時間はあっという間

お開きの時間になってしまった

「そろそろ帰るか～」

「え～、まだいいじゃーん」

もう既にベロベロになっているしばゆーが机に突っ伏しながら言う

「お前がそれ言うなって！」

ゆめまるがしばゆーの体を起こし、各自席を立つ

「すごい楽しかったね～。Aちゃん…楽しかった？」

前の席に座っていたりょうが尋ねてきた

『めっちゃ楽しかったです！本当にありがとうございました！』

みんなの最近の話、他のYouTuberさんの話、これからやりたいと思ってること

いろんな話を聞けて、凄く贅沢な時間だった

「俺らと一緒に店出ると、もしかしたら視聴者さんたちと出くわしちゃって揉めるっていうこともありえるし、俺らだけ先に出るね。Aちゃんはとしみつに送ってもらいな？」

てつやのまさかの発言に息が詰まった

『え、送っていただかなくても大丈夫ですよ！？としみつさんもみなさんと一緒に帰った方が…！』

「さすがにこんな時間に1人では危ないし、としみつに甘えちゃって！」

ね？と虫さんに優しく言われると『分かりました』としか答えられなかった

「じゃあAちゃん、またね！また会お～ね」

『はい！ありがとうございました！』

ひらひらと手を振りながらみんなが出ていった

さっきまではうってかわって、部屋がシン…と静まり返る

『す、すみません。送っていただくことになってしまって…』

「いやいや！むしろこんな時間まで付き合わせてごめんね？」

としみつは終電には間に合ってる…よな？などと言いながらスマホで調べ始めた

こうやって隣にとしみつがいて、普通に話して、笑って……

こんなこと、今まで想像すらしたこと無かった…

動画の中で話してる彼しか知らなかった。動画を見て優しそうだなとか、真面目そうだなとか、笑顔が可愛いな…とか

憧れみたいなものだった。ああやって馬鹿したり本気になったりしてるのが好きで

初めて会ったあの日から、その感情が少し変わってきたような気がする。もっと知りたいし、話したいし、隣で笑顔を見たい

憧れというよりも……

もしかして……私……YouTuberとしてじゃなくて、普通の男の人として……恋…した？

「めっちゃ楽しかったな～！今度は愛知来てよ。案内するし」

そう言って笑顔を見せてくれた時ギューと胸が苦しくなった

やばい……これ…恋だ…