１０ ページ10
なんだ。
その事か。
今度、みんなで、
桜の名所に行こうって話になってる。
「ああ、お花見の件・・・」
緊張して損した。
ガチガチだった身体から力が抜けてく。
そりゃあ、そうだよね。
「俺、いろいろ調べてみてん。
良かったら、
泊まりでもええかなって」
「泊まり・・・」
「みんなで泊まるって、
まだないやん。
たまにはええと思わへん？」
「うん、良いと思う」
「俺、企画するけど、
みんな来てくれるかな」
「私から声かけときます」
「なんで急に敬語？」
丸山くんが吹き出した。
ああ。この笑顔に弱いの。
こんなに優しく笑う人、
私の知ってる中では、
丸山くんだけ。
「丸山くんもたまに敬語の時、
あるよ」
「ほんまに？」
「ほんまに」
「それは無意識ですわ」
「あっ、ほらっ」
「ほんまやわ」
「ね？」
「もっかい、さっきの、ほんま、
言うてくれへん？」
「え？」
「Aちゃんの、
不意に出る、
うつった関西弁、
可愛らしいねん」
丸山くんはずるいんだよなあ。
「またまた。
・・・そんな事、軽々しく言うと、
勘違いされちゃいますよ？
私は大丈夫、ですけど、」
「なんが大丈夫？」
「私は、勘違いなんて、しないけど、」
もう少し若ければ、
離婚歴なんてなければ。
もっと素直に飛び込めるのに・・・
「勘違い・・・」
困ったように、
眉を下げた丸山くんが、
ひとりごとのように一言呟く。
「そうだよ。
私みたいなバツイチの、
酸いも甘いも分かったようなのだから、
良いけど。
恋愛脳の女の子なら勘違いしちゃうよ」
だめだ。
現役女子アピールどころか、
引退宣言してしまったではないの。
「Aちゃんはもう恋愛する気はないん？」
「そういうわけじゃないけど・・・」
なんだか責められてる気がして。
思わず俯いてしまった。
「ごめん。
過去のことで傷ついたもんな・・・。
臆病になんのも仕方ないよな」
「もう恋愛しないなんて決めてるわけじゃないよ。
・・・でも、今度の恋は、
安心出来る人がいいんだ。
友達からゆっくりと、
気心知れてる相手がいいな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひ み さ(プロフ) - 完結お疲れ様でした(*^^*) 途中ハラハラしましたけど、最後は主人公ちゃんが幸せそうで良かったです、ありがとうございました♪ (2020年9月25日 2時) (
レス) id: 3389004d8b (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - 優しいマルちゃん全開でしたねー！大倉くんはかっこよかったし！！！、、、今は心配ですが、、。とにかく完結までお疲れ様でした！最後まで書いてくださりありがとうございました！★ (2020年9月25日 0時) (レス) id: 979f5b0d6b (このIDを非表示/違反報告)
ちえっち(プロフ) - foolさんお疲れ様様でした！沢山楽しませて頂きました^ ^更新される度にワクワク・ヒヤヒヤで(笑)ハッピーエンドで私も幸せな気持ちになりました(*^^*)私foolさんのお話大好きです！また楽しませて頂ければ嬉しいです^ ^が、一先ずは本当にお疲れ様でした！ (2020年9月24日 17時) (レス) id: 1ce7c64885 (このIDを非表示/違反報告)
丸まる(プロフ) - 更新、有難うございます！ 丸ちゃん・・・幸せになって笑って欲しい。続きを楽しみにしています♪ (2020年9月6日 19時) (レス) id: a153ec6e2b (このIDを非表示/違反報告)
ふぅ(プロフ) - ああ、大倉くんに流れてしまいそうです……。続きが楽しみです。 (2020年9月6日 2時) (レス) id: 8d5c06a381 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年12月25日 10時
