深紅の君に…10

赤司58 ページ10

黒「あの…いいですか？」

赤「テツヤ。起きていいのか？」

黒「…なぜ…あんな試合をしたんですか？」

赤「なぜ…？どちらにしろ戦力差は圧倒的だった

どうやっても結果は変わらないだろう」

黒「手を抜かないで欲しいと言ったのに…」

赤「試合をコントロールしただけだ

漫然と点を取り続けるよりみんな集中していたよ」

黒「違います！ボクが言ったのは…！」

赤「詭弁に聞こえるならそれでも構わないが

手を抜くなと言うならばなぜ他の試合では

何も言わなかった？

自分と関係のない相手の時は目を瞑り

友人とやる時だけそれらしい事を言うなど

それこそ詭弁だと思うがね」

涼太を始め各々本気でやる事が出来ない事を述べた

特に大輝の意見はテツヤに響いたらしく

黒「それは…分かりません

けどボクにはあの勝利が今までのどんな挫折よりも苦しかった

例えそれ以外道はなかったとしても…

あんな思いは二度としたくありません

忘れる事も出来ない

だから…バスケットはもうやめます」

赤「テツヤが決めた事なら好きにすればいい

もう行くぞ取材陣が痺れを切らしてる」

テツヤを置いて各々取材を受けた

全中制覇を成し遂げた後は昨年よりもずっと忙しい

取材の多さが莫大に増えた

引き継ぎの為監督とも話をしなくてはいけなく

Aに連絡する暇さえない

彼女の事だ全て理解しているだろう

鷺沼から目立った報告も上がっていない

始業式に埋め合わせをしよう

始業式の朝

いつものように彼女を迎えに行くと

思ったよりも顔色がいい

これなら明日からは登校出来そうだ

ん？あー…ありがとう…と言いたいが

当然の結果さ

僕達に敵う相手は外には居ない

居るとしたら…中にだ

互い分かっているんだが見て見ぬフリをしていた

自分より上が居るとは思っていないとね

登校するならどこでも変わらないさ

ランチは明日からだよ

午後に引退式があるんだ

話したい？もちろんニコ

君からそう言って貰えるなんて光栄だ

夏休み会えなかった分埋め合わせをするよ

愛を込めて彼女の手を握った

どんな話だろうか

気になるが冷静を欠いてはいけないな

始業式と共に全中の表彰も行われたが

こういうのも大概にして欲しい

勝利以外ありえないんだ

表彰など必要ない

彼女と生徒会室で待ち合わせた

彼女はなかなか来ない

そのせいで引退式の時間が迫ってる

彼女に時間の限り話を聞くと伝えると

貴「…どうしてあんな試合をしたの？」

…そっちか…ハァ…

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