変わらぬ愛を君に捧ぐ【 sh 】 (ページ3)

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気が狂うページ3

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来てしまった……
平野くんの押しに負けた。

『A先輩お疲れ様です』
「……急に改まらないでよ」
『まあ一応？まだ社内なんで？』
「……調子いいなもう」
『じゃ！行きますか！』

半強制的にご飯に行くことになった私だけど、決して嫌な気はしてない。
気になってる存在なのは確かだから。
だけど、このモテ男と一緒にいると女たちが牙をむくから気をつけないと。

『何食べます？』
「……ねえ、なんで敬語なの？」
『え？』
「もう会社出てるけど」
『……あー、だってAちゃん礼儀正しい人が好きなんでしょ？』
「……誰がそんなこと言ったの」
『小野さん！』
「あいつ……！」

余計なことをペラペラと。その言うことを信じてる平野くんも平野くんだよ。そんなことしなくても君が礼儀正しいことくらい知ってるから。

「いつも通りでいいよ」
『ほんとに？』
「逆に気が狂うから」
『了解～！あ、普通に居酒屋でいい？』
「どこでもいいよ」

先に入り口に入ってドアを開けて待っててくれる。
いつも通りの平野くんだ。

「ありがとう」
『ん？何が？』
「ふふ、んーん」
『え？！なに？！俺なんかした？！』
「うるさいな、もういいよ、早く入ってよ笑」

ほんとに天然なんだな、この優しさは。

『Aちゃん飲むでしょ？』
「私すごい弱いんだよね」
『え、俺も』
「え、そうなの？なのに居酒屋きたの？」
『Aちゃん飲むかなあって思って』
「あ、ごめん、なんか」
『いや俺もすいません。勉強不足です』

苦笑いしてる平野くん。
ちょっと悪いことしちゃったかな。
でも私に気遣ってくれてるのは伝わる。

「次は別のとこ行こ！｣
『……え、いいの？』
「……あ……えっと」

やばい。この場を乗り切ろうと元気付けの為に言ったのに
私から彼を誘ってしまってるじゃないか。

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