認めざるを得ない ページ16
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「あのさ、」
『はい?』
「ご飯行かない?」
『………え、……行きます!』
この前は、大失敗したから今回は普通にご飯屋さん。
平野くん、終日外回りだったから車なんだって。
どうぞって当たり前に助手席のドアを開けてくれて乗り込む。
年下のくせに生意気に左ハンドル。
車内に広がる平野くんの香水の匂いにドキッとした。
『あの、』
「ん?」
『いや、見過ぎじゃない?俺のこと』
「え、ごめん」
『無意識かよ、こわ』
目線は前を向いてるけど、運転しながらチラチラこちらの様子を伺ってくる平野くん。運転してる姿がサマになってるから思わず見惚れてた。オフィスを出た瞬間、タメ口になるのも、こうした男らしい姿も、いつしか居心地がよくなってて、本当はずっとこの展開を望んでたんじゃないか、とも思う。
目的地について、一発で駐車に成功して『よっしゃ!』って言っちゃうところも、私より先に店に入って扉を開けてくれるところも、何もかもが、……好きなんだと思う。
平野くんに彼女ができたときから?
平野くんの部屋に泊まってから?
同じマンションだと分かってから?
気づくタイミングなんていくらでもあったはずなのに。
こうした小さいことで実感するんだもん。
平野くんってすごい。
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しおり(プロフ) - なんでだろう!めちゃくちゃ怖い!朧げではあるが覚えている!怖い!何これ! (2021年5月13日 23時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詠夢 | 作成日時:2021年5月5日 23時