Episode8-3 遅刻 ページ33
《起きな、A! 朝だよ!!》
脳内にガンガン響くアリアドネの声で目覚めた。お世辞にも、いい目覚めとは言えない。
「も〜分かってるって! 朝なんでしょ!?」
《あんたが起きないからやってるんじゃん!!》
朝から脳内でケンカ。二度寝する気にならないのはいいんだけどさ。
「って、今何時?」
《もう7時50分よ》
はっ!?
「大遅刻じゃん!! もう、早く言ってよ!!」
っていうか母は!? My Motherは!?
リビングルームに行くと、私に向けた置手紙が机の上にあった。
『Aへ
昔の友達に会いに行ってきます。帰り遅くなるけど、よろしくね☆
美香子』
「はあああああああああああああああああああ!!!???」
何で急にそうなってるの!?
んで、語尾の☆はなんなの!?
《そんなことより今は準備を急ぎなさい!!》
アリアドネに急かされ、急いで朝食を摂り、着替えて、身だしなみ整えて……。
「今何時?」
《8時20分!!》
まあ、それくらいなら、大丈夫かな。
持ち前ののんきさがやっと出てきた。
《バカ! もうこんな時間なの! 今から走って行きなさい!!》
「しょうがないなぁ……」
アリアドネがうるさいので、走って家を後にする。
校門をすたたたっと走り抜け、教室に急ぐ。
教室に着くと、みんなの視線が私に集まった。
「……Aさん、5分遅刻ですよ」
アミちゃん……いや、亜実ちゃんがこそっと私に伝えてくれた。
「大丈夫大丈夫。まだ先生来てないから」
バレなきゃ大丈夫。
「Aさん、遅刻はいただけませんね……っ!」
あ、バレてたみたい。
ま、いっか。
「ああ……ごめんなさい。以後気を付けます」
先生の怒った顔を平然と見つめて、テンプレ通りの謝罪を述べる。
「今度やったら、こんなもんじゃ済ませませんよ……?」
今度はないと思う。たぶん。
「はーい、授業終了ー」
1時間目がやっと終わった。長かったぁ。
《それでさ、A。あの子……アミに聞かなくていいの? 昨日の答え》
――怖いけど、聞かないと、ダメだよね
「あ……亜実ちゃん」
勇気をかき集めて、亜実ちゃんのほうに足を進める。
「Aさん……。
なんですか? 遅刻の件ですか?」
このアミちゃんは、『亜実ちゃん』モードだ。
「昨日の答え、教えてくれないかな。私は迷惑な存在なのか」
震える声で、アミちゃんに問いかける。
「迷惑じゃないですよ。ただ、これが私が強くなるために一番いい選択だと思うんです」
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頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます!地道に、頑張っていきますね! (2016年8月24日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで! (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……? (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年1月25日 1時