検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:7,879 hit

Episode8-3 遅刻 ページ33

《起きな、A! 朝だよ!!》

脳内にガンガン響くアリアドネの声で目覚めた。お世辞にも、いい目覚めとは言えない。

「も〜分かってるって! 朝なんでしょ!?」

《あんたが起きないからやってるんじゃん!!》

朝から脳内でケンカ。二度寝する気にならないのはいいんだけどさ。

「って、今何時?」

《もう7時50分よ》

はっ!?

「大遅刻じゃん!! もう、早く言ってよ!!」

っていうか母は!? My Motherは!?

リビングルームに行くと、私に向けた置手紙が机の上にあった。

『Aへ

昔の友達に会いに行ってきます。帰り遅くなるけど、よろしくね☆

美香子』

「はあああああああああああああああああああ!!!???」

何で急にそうなってるの!?
んで、語尾の☆はなんなの!?

《そんなことより今は準備を急ぎなさい!!》


アリアドネに急かされ、急いで朝食を摂り、着替えて、身だしなみ整えて……。

「今何時?」

《8時20分!!》

まあ、それくらいなら、大丈夫かな。
持ち前ののんきさがやっと出てきた。

《バカ! もうこんな時間なの! 今から走って行きなさい!!》

「しょうがないなぁ……」

アリアドネがうるさいので、走って家を後にする。


校門をすたたたっと走り抜け、教室に急ぐ。
教室に着くと、みんなの視線が私に集まった。

「……Aさん、5分遅刻ですよ」

アミちゃん……いや、亜実ちゃんがこそっと私に伝えてくれた。

「大丈夫大丈夫。まだ先生来てないから」

バレなきゃ大丈夫。

「Aさん、遅刻はいただけませんね……っ!」

あ、バレてたみたい。
ま、いっか。

「ああ……ごめんなさい。以後気を付けます」

先生の怒った顔を平然と見つめて、テンプレ通りの謝罪を述べる。

「今度やったら、こんなもんじゃ済ませませんよ……?」

今度はないと思う。たぶん。


「はーい、授業終了ー」

1時間目がやっと終わった。長かったぁ。

《それでさ、A。あの子……アミに聞かなくていいの? 昨日の答え》

――怖いけど、聞かないと、ダメだよね

「あ……亜実ちゃん」

勇気をかき集めて、亜実ちゃんのほうに足を進める。

「Aさん……。
なんですか? 遅刻の件ですか?」

このアミちゃんは、『亜実ちゃん』モードだ。

「昨日の答え、教えてくれないかな。私は迷惑な存在なのか」

震える声で、アミちゃんに問いかける。

「迷惑じゃないですよ。ただ、これが私が強くなるために一番いい選択だと思うんです」

Episode8-4 決意→←Episode8-2 マザーアドバイス



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:ファンタジー , オリジナル , 魔法   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます!地道に、頑張っていきますね! (2016年8月24日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで! (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……? (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年1月25日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。