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「なんでわからんの?何度も来たことあるやん!」



『わかってる!わかってるよ、ちゃんと…ただ地図は無理。』







繋がった手をブンブンと揺らせながら笑うこの人。

最近はあまり手をつないだりしてなかったから、少しドキドキする。






「Aちゃんはこうやって手をちゅないどかんと迷子になっちゃいまちゅね〜ちじゅが読めまちぇんもんね〜」


『なんないから。つないでもらわなくっていいし。』






自分から握ってた手を振りほどいて、少し歩くペースを上げた。









____あぁ、やっぱり手、つなぎたい。









なんであんな可愛くないことしてしまったんだろう。大毅は冗談で言ってたのに。




また自分の子どもっぽい行動に後悔していると、すっと私の右手が掴まれた。




え?っと横を見上げたら、笑ってる彼がいた。








「せやったら俺が迷子にならへんようにつないどいて。」







指を絡ませ、ギュッと握ってくる。


待って、なにこの人。


いつどこでそんなかわいくなったの?









『いいよ。つないであげる。』





「随分と上からやな。」





『あ!ラッコ!大毅、ラッコ!』







急いで彼を引っ張りながらラッコたちへと進む。

また後ろから笑い声が聞こえる。






『うわ〜可愛い。見て、手つないで寝てる!』




「おぉ、可愛いな。」




『写真写真。ちょ、大毅地図持ってて。』






カバンから携帯を出し、水の上で二人仲良く手をつないで眠ってるラッコたちを連写で撮る。






『手をつないで眠るのって聞いたことあるけど、生で見るの初めて!』





「なんでそうやって眠るん?」





『え、大毅知らないの?海で寝ている間はなれないよう体に昆布をまいたり、手をつないだりするんだよ?』





「へ〜可愛いな。」






ガラスへと前かがみになって真剣に見る大毅。

そんな表情がちょっと面白かったりして。







…やっぱりここに来ると5年前のあの日しか思い出せなく、彼もそのことを考えてるのかなぁと思ってしまう。



そっと手に力をいれたら、同じ力で握り返してくれた。

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(プロフ) - 虹と嵐さん» 更新はちょっと遅くなるかもしれませんが、二人の未来の話、書きます!本編を最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (2018年3月25日 8時) (レス) id: 793a413963 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 七橋にさん» コメントありがとうございます!新婚旅行や二人の未来の話を書く予定です!楽しみにしてください! (2018年3月25日 8時) (レス) id: 793a413963 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ペン太郎さん» 感動したなんて、嬉しい言葉ありがとうございます!しげこたですね…いろいろとアイディアが浮かんできました。近頃新作出すかもしれないので楽しみにしてください。 (2018年3月25日 8時) (レス) id: 793a413963 (このIDを非表示/違反報告)
虹と嵐 - とても面白くて、最後はお父さんが認めてくれてよかった〜と思いました!もしよければその後を見てみたいと思いました!! (2018年3月23日 22時) (レス) id: f64e7eafe7 (このIDを非表示/違反報告)
七橋に - 結婚したその後の話がみたいです! (2018年3月21日 15時) (レス) id: 391a8c7176 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=kawaieri612  
作成日時:2018年2月19日 21時

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