婚約者VS父親 ２｜【赤・黄】

番外編３：ハワイ新婚旅行 ページ27

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「ハワイに……とうちゃ〜く！」







ホノルル国際空港から出ると少し暑い空気が私たちを出迎えてくれる。






『…暑い、』





失敗した…こんなに暑いとは思わなかった。

飛行機の中は寒いし、末端冷え性な私は思いっきり長ズボンとパーカー、靴下ももちろん着ている。

この感じだと多分辞書で「防寒対策」を開いたら私の写真が出てくると思う。

パーカーは脱げれるからまだマシ。ホテルに着いてから着替えないと。







「A、見てみ！海！めっちゃ青！」






同じく長ズボンとTシャツの彼は逆で、全然暑さを気にしていない。

汗っかきなくせに、ギャーギャーはしゃぎやがって。







『ここからタクシーを拾って、ホテルまで行ってチェックインしよっか。』


「おん、あっちにタクシー広場とかあるんちゃう？」


『あ、書いてある。TAXIって。』







キャリーバッグを引きずりながら大毅が示した場所へ歩く。






あ〜、もう夕方だっていうのに太陽の日差しが強い。

あと人もまぁまぁいる。

ハイシーズンじゃない６月をわざと狙ったのに、さすがハワイ。観光客は年中訪れる。





「あ、あ、えく、えくすきゅーずみ？」





なかなかガタイのいい外国人のタクシードライバーさん……いや、ここは私たちが外国人か。





「You can put your luggage in the trunk.」

「え？」





あまりにも早口で言うから、大毅はポカーン。





『荷物、後ろに入れといてって。』








ふふ。


もちろん、あの人の娘だから英会話は４歳から習ってる。

ついでにピアノ、習字、あと空手もちょっとだけやってた。

英語はペラペラってわけじゃないけど、普通に会話はできるし、英検１級は一応取ってある。






荷物を入れたらタクシーへ入り、ホテルの住所を教えた。






流れてく景色は日本とは全く違うもので、ずっと外を見ていられる。

さっき大毅が言ってた海も、通り過ぎるお店も、
映画とかテレビでしか見たことないから実際目で見ると言葉を失うほどすごい。






「うぉーすげー、めっちゃ綺麗！」






子供のように顔を窓にべったりつけて外を眺める大毅を見るのも









……言葉を失うほど可愛い。

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