Chocolate addiction 07 (ページ14)

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間に合わないか・・・ページ14

３人にバレないように
スマホを隠し、
目隠しも少しだけ
見えるようにだけずらして
警察が来るのを待った。

どのくらいの時間が経ったのか、
ミラーで３人を確認すると食事を終えて
席を立つのが見えた。

ダメだ、間に合わなかった・・・

これからどうする？
警察が来ると信じて車内で抵抗して
少しでも出発を遅らせる？
それとも大人しくこのまま移動する？
あ、そういえば通話はまだ
警察につながったままだろうか。
もしまだ繋がっているなら・・・

私は胸に隠したスマホに向けて
「３人が車に戻ってきます。
もう、移動しそうです」と喋った。

どうか通話が繋がってますように！
そう願っていると視界の端に
赤いランプのような光が見えた。

もしかして間に合った？！

レストランの方を見ると
星井さんと東さんが会計をしていて
大久保さんはトイレから戻ってくるところだった。

私は逃げ出すなら今だ！

ドアの鍵を開けようとしたけど
後部座席はチャイルドロックが
掛かっている様で中からは開かない。

それならと
私は縛られている体を思いきり動かし
運転席へ移動を試みた。

さっきの赤い光がパトカーなら
充分に時間稼ぎができる。
でもそうじゃなかったら・・・

必死で移動していると
お店から出てきた大久保さんが
私に気が付き、車に走って来て
「お前、そんなことして
逃げられると思ってんのか？」と
髪を鷲掴みにして殴り掛かろうとしたその時、
「はいはい、おじさん落ち着いて。
彼女怖がってるでしょ？
何があったのかな？」と
大久保さんの腕を誰かが掴んだ。

周囲には赤くクルクルと光るランプ。
警察だ。

大久保さんは
「いや、ちょっと彼女と喧嘩してしまって・・・
ついカっとなってしまって・・・
な？そうだよな？」と私に同意を求める。

私は「電話をしたのは私です！
私が川原Aです！」と警官に訴えた。

大久保さんは
「お前、いつの間に通報なんかっ！」と激昂し、
再び私に殴り掛かろうとして
警察官に押さえつけられた。

東さんと星井さんもその場で
取り押さえられ、
拘束されていた縄を解いてもらい、
腕が痛むことを伝えると救急車が来て
私はその中から３人がパトカーに乗るのを見て
これで終わったんだと安心した。