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彼女の好きな人。 (YN ページ17

車に乗り込むとAが
「東京タワーに行こう」と言うので

俺はナビに行き先を設定する。

到着して2人で
東京タワーを下から見上げていると
「日付も変わるしそろそろ
私が魔法をかけようかな。」とA。

「魔法?」

「そう、良く見ててね。」
そう言って時計を見ながらカウントダウンをして
彼女がパチン!と指を鳴らすと
東京タワーは上から順番に照明が消え真っ暗になる。

「おぉぉ〜!」と思わず声を上げる俺。

「凄いでしょ?私の魔法」と
彼女は自慢げだった。

東京タワーを後にし
今度は俺の秘密の場所へ。
目的地に向かう車内で俺は
「魔法を見せてくれたお礼に
良いものを聞かせてあげる」と言いながら
音楽プレヤーをAに差し出し、
「5曲目を再生して」と言うと
彼女は言われたとおり
5曲目を選択し再生ボタンを押す。

「これ、今度のアルバムに入る
俺のソロ曲、作詞は俺」

Aを想いながら作った曲で
俺は運転しながら曲に合わせて歌った。

「どう?」と感想を聞くと
「せつないけど、良い曲だね」と彼女。

「うん、ちょっとせつないんだ」と返事をすると
彼女は何故か黙ってしまった。

沈黙を破るように俺は
彼女にずっと訊きたかった事を口にする
「ねぇ、Aは好きな人いるの?」と。

なぜ、このタイミングで
聞いたかは自分でも分からない。
もしかしたら自分が作った曲の影響かもしれない。

彼女はいきなりの質問に
「いきなりなに?」と聞き返してきたので
「いや、居るのかなって思って」と答えると
「ユノは?」とAが聞き返して来たので
「うん、いる。」と答える。
「どんな人?ユノは好きになるんだから
きっと素敵な人だね」と彼女は微笑んだ。

「うん、素敵な人だよ」

「そっか、告白はしないの?」

「近いうちにしようと思ってる」

そう、俺はAに
好きだと伝えようと思っていた。

彼女がまた黙ったので彼女の顔を見ると
下を向いて悲しげな表情をしていた。

そんな空気を変えるべく
「で、Aの好きな人はどんな人?」と聞くと
彼女は少し悩んで
「努力家で誰にでも優しく出来る素敵な人」と答える。

俺は「そんな奴がいたら
俺はかなわないなぁ」苦笑いする。

取られたくない。 (YN→←ドライブ。 (YN



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作者名:kawaetsu | 作成日時:2016年5月7日 15時

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