Cigarette love (ページ1)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:133,019 hit

特殊な勤務時間。ページ1

「今日はお散歩日和だなぁ～」と
呟きながら職場へ向かう。

川原A２５歳。
私は保育園で働いている。
高校を卒業しIT関連に就職したものの
数年後にふと、この仕事を
自分が続けて行けるのかと考えた時に
「無理だな」と思って転職した。

今の仕事に就いた理由は親友から
「Aなら子ども好きだし保育士はどう？
資格なくてもアルバイトからならあるよ」と薦められ、
特に転職先も決めていなかった私は
手に職を付けるのも悪くないなと思い
アルバイトの募集を探しては応募した。

すると昨今の保育士不足のためか、
資格がなくても出来る非常勤職員で無事採用。

でもそう都合のいい話はなくて
非常勤は１勤務の時間が４時間と短いので
私は早朝～昼と夕方～夜の
１日２勤務を希望し働いている。

そんな訳で昼間にぽっかりと空いた時間に
私は近くのショッピングモールの
テラスデッキの喫煙所で一服する事が日課になっている。

出逢いはそんなの日課の
一服をしていた時だった。

いつも通り喫煙所に居ると若い男性がやってきた。

スタイル抜群のイケメンで何処かのお店の人？
モデルさんかな？と思いながら座れるように
ベンチにスペースを空けると
お辞儀をしてその人は座った。

そして暫くすると"シュッ!シュッ"！と
ライターを擦る音が聞こえて来た。
それも何度も何度も。

どうやらライターの火がつかないみたいだ。

あれ地味に困るんだよなぁ～
そう思った私が「良かったらどうぞ」と
彼にライターを差し出すと
申し訳なさそうな顔をしながら
「ありがとうございます」と受け取り使い終わると
「ありがとうございました」と返そうとするので
私は「良かったらあげます。
おまけに貰ったやつですけど」と
ライターを受け取らずに彼に伝える。

何故ならこの周辺でライターを買うと
場所柄なのか１００円ライターが
タバコより高い値段で売られているからだ。