６０：認めてしまったァ！まだまだ続くよ唐揚げ伝説！ ページ12
｢で、音本さん！！｣
｢私か｣
｢唐揚げお裾分けプレゼントフォーユー！｣
また唐揚げを無駄遣いする彼女に……音本は呆れたように失笑した。
唐揚げとはまた不思議なものだと、彼の中の彼女のイメージは著しく変わる。
｢唐揚げはいらない｣
｢バカな……こんなにツヤツヤで美味しそうな唐揚げなのに｣
｢いや、その自称美味しそうな唐揚げに私は気絶させられたのだが｣
先ほどまで殺す気で戦っていたはずの唐揚げぽんぽん娘と、普通に会話をかわす。
先ほどまで雑魚だと舐め切っていた彼女に、何度も何度も驚かされた。
｢気絶と言っても、見たところ数分意識を無くしていただけだな。……ずいぶん頑丈だよ。君｣
｢ありがとう。唐揚げみたいな感じかな｣
｢どういう感じだ、それ｣
唐揚げの奇行にも慣れてきた音本は、銃を懐にしまった。それは閉戦の合図。
Aも｢あれ、銃なおしちゃった｣とそれを唖然と見守る。Aから見れば万々歳な展開である。お前本当ラッキーだよな。
｢先に行け｣
｢……え？｣
｢見逃してやる｣
まさかの音本の発言に、Aは暫く会話の意味を理解するために黙り────そして発狂するように喜んだ！ ｢いやったああああ！！｣と。元気なことだ。
｢嬉しい。はじめて見逃してやるとか言われた｣
｢良いから早く行きなさい……｣
音本たちヤクザは確かに精鋭隊と手を組んでいる。が、その現状と来たらとてもじゃないが『組んでいる』とは言いにくかった。
やり方が気にくわない。何が気にくわないかと言われたら、それは追々語るとしよう。
Aを逃がすことは、遠回しに行けば彼の敬愛する若頭のためにもなり得ると踏んでいたのだ。
｢君なら精鋭隊の連中くらい掻き回せるだろう。好きなだけその明るさと奇抜さで掻き回せばいい。そして救うべきものを掴んで行け。──君は、ただの雑魚ではないのだから｣
ちょっと唐揚げを過大評価しすぎな気はする。だが当事者の音本が『唐揚げマジすげえ』で脳内完結してしまったようなのでもう手遅れか。
あちらこちらに唐揚げを転がしたまま、通路の先に駆けていくAを音本は見詰めた。……なんと頼りになりそうな背中だろう(やけくそ)
｢君は、何か不思議な力のある『唐揚げ』なんだな。……私も、君に会えてよかったよ｣
たまにはこんな出会いも悪くない。もし今の上司に会うより先に、彼女と出会っていたとしたら──人生は変わっていたかもしれないのだから。
────こうして何やら音本に痛く気に入られたAは、ラッキーなことにトドメを刺されずに見逃してもらえたのだった！！
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はにか※はにかん(プロフ) - え、キュ、キュレーターですって！？……作者様！いえ、神様！！私たち付き合いましょう！？一緒に丑三ツ刻水族館に行きましょう！(？？？？？)あと、遅いコメントすみません… (2020年11月26日 22時) (
レス) id: d702d64ecc (このIDを非表示/違反報告)
エドワード - 唐揚げバンザイっっ！！黒霧さん逃げてぇぇ (2020年1月7日 22時) (レス) id: 09090d6677 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - ほむほむさん» ようこそ唐揚げの世界へ(笑)どんどん惚れてくださいd=(^o^)=b (2018年3月10日 14時) (レス) id: f00a385698 (このIDを非表示/違反報告)
ほむほむ - やだ、惚れた (2018年3月10日 14時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 百聞さん» コメントありがとうございます！唐揚げも、頑張ればそこそこ強く見えるようです(笑) 大好きな作品と言っていただけて大変光栄です！これからもまったり頑張る存意ですので、またお気軽にお声を聞かせてくださればと思います！＼(^o^)／ (2017年12月29日 18時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2017年11月18日 11時
