真選組子育て奮闘記。

突然の来訪者　　山崎side ページ24

「けらいいい！つかまえてみろお！」









Aちゃんの爪を切る。
ただそれだけでこの労力。


海辺のカップルじゃあるまいし、
つかまえてみろもくそもないよAちゃん。




「ちょ…ちょっと待って！
痛くないから！切らないときたないんだよ！」



「Aのはきれいだから大丈夫！」




・・・・・大丈夫じゃないって。
その自信はどこから来るんだ姫様よ。





屋敷中を走り回り、

ついには外に逃亡という危機を

玄関でぎりぎり阻止。






「よッし！つかまえた！」



「きゃああ！やだっ！は―な―し―て！ははっ！
こそばいっ！」






ほぼ追いかけっこ感覚だったのか
Aちゃんはご満足そうに笑いつつ
ついに俺につかまった。






かわいいんだけどな・・・









手がかかるっていうか・・・





腕白盛りになってきたっていうか。



そう苦笑しつつ部屋に戻ろうとした。









・・・・・と。









「ごめんください。」









そう言ってはいってきたのは一人の優しそうな婦人。





｢何の御用ですか？」









そう問うと、









｢ああ、この子がAちゃんね・・」









めでるように目を細めた婦人は
姿勢を正して。









｢・・・・・まことに突然なのですが・・・・」

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