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久しぶりにAの顔見てつい勢いで連れてきてもたけど。
す「...。」
「すばるくん？どう...したの？」
す「...音羽、ほんまにヤスの子どもか？」
「...なんで？」
す「...顔。」
「が、どうしたの？」
す「....俺やん。めっちゃ似てる。」
あの子の顔見てすぐにわかった。
完全に俺の子や。
「...。」
す「...俺の子か？」
「そう...だよ？すばるくんの子ども。」
す「なんで？」
「...。」
す「なんで言ってくれへんかったん？！」
「...ごめんなさい。」
す「あん時、俺の前から消えたんも音羽ができたから？！」
「ホントに...ごめんっ。ｸﾞｽｯ」
あのときの俺はAと結婚を考えてた時期で。
Aに「別れよう。」そう言われたその日にプロポーズするつもりやった。
それが見事に崩れ去った日。
あれから三年、俺は女を作ってないし遊んでもない。
俺の仕事柄、遊びでもええいうやつは山ほど寄ってくる。
前の俺なら来るもの拒まずやった。
でもそれすらウザく感じられて。
結局指輪すらはずせてない状態でこの3年を過ごしてきた。
す「...ヤスのこと好きか？」
「私が好きな人はずっと変わらない。」
す「...。」
「...渋谷すばる。あなただよ？」
す「っ。ほんまか？」
「嫌いならあなたにもらった指輪なんて捨ててるし娘の名前に“音”なんて入れない。」
す「え？」
「すばるくんがいつか話してた“子どもができたら名前に音を入れたい”そう言ってたから。」
す「覚えてたんか。」
「うん。」
す「...。」
「もういい？音羽待ってるから。」
そう言って背を向けるA。
...俺はまた大事な女を手放すんか。
こんなに想って想ってもう一回逢えたのに。
あんなに逢いたかったAが目の前におんのに...。
す「あかん...。」
「ん？」
す「待って。」ｸﾞｯ
「ちょっ。すばるくん？」
す「なぁ。」
「何？」
す「もう一回やり直したい。」
「え？」
す「音羽とAと俺、3人で。」
「何言ってるの？すばるくんはアイドルなんだよ？」
す「そんなん関係ない。」
「...。」
す「A、俺と結婚してや。お前のことも音羽のこともずっと守ってくから。」
「っ。すばるくん...。」
す「...無理にとは言わん。」
「すばるくんはいいの？急にパパになるんだよ？」
す「音羽は俺の子や。」
確かに急に親になるのは簡単じゃない。
そんなことわかってる。
す「...返事は？」
「...お願いします。」
す「...こちらこそ。」ぎゅ。
音羽もAもずっと俺が守ってくから。
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作者名：慧梨 | 作成日時：2018年5月18日 4時
