1話 ページ1
「探しましたよ、Aさん」
11月3日
この日は決まって大雨だ
しかも一日中
「連絡ちゃんと着くようにしてください
Aさんまで居なくなったら、俺…」
「はは、ごめんね千冬」
傘さしてるのに服がずぶ濡れなところから察するに、
千冬はこの雨の中必死に私を探してくれたんだろう
千冬は良い子だよ、本当に
「マイキーくんがAさんを探してました
話があるみたいです」
「だから三ツ谷からこんなに不在着信があるのね」
携帯に電源を入れると、ずらりと着信履歴に三ツ谷の名前が並ぶ
たぶん血のハロウィンの総決算でもしようってとこだろうけど…
私はまだ場地を置いていく決心がついていない
「千冬はさ、場地は幸せな人生歩めたと思う?」
「そりゃあまぁ…納得はできないけど
場地さんのやることは全部尊敬してるんで」
場地さんならきっと、自分の行動に後悔はしないと思います
曇りなき目で笑う千冬に私は苦笑いしかできなかった
裏切り者として東卍を抜けても、後輩に慕われて
自分を殺 した相手は友達が復讐して
まさに悲劇のヒーローだった
「(私のことは忘れてるくせに…」
でもヒーローは、私を守ってくれなかった
ずっと一緒にいて私を守ってくれるって
東卍が出来る前に誓ったあの約束を破りやがった
『じゃあ場地は、私が守ってあげるよ!』
『おう!約束だからな!!』
甘い嘘に騙されたまま終われるわけない
「私はこいつ起こしてから行くわ
だから千冬は先に行ってて」
「え?起こすって…ちょッ!Aさん?!」
11月3日
場地圭介の誕生日
気付いたら私は場地の墓の前にいた
「どこ行くんですか!!…ってそこ立ち入り禁止!」
その時の私は彼の死を受け止めれなくて絶望していた
けど、場地のお墓に行ったら供物がたくさんあって
私は幸せじゃないのに、彼は死 んでも幸せなんだって思ったら嘘みたいに絶望感がなくなった
「ここ廃ビルだから誰も来ないし、穴場なんだよね」
代わりに復讐心が生まれた
この世に居ないのなら、あっちに行って復讐してやろうと思った
「死 ぬ時は綺麗な景色でって決めてたの」
「死 ぬって…あんた何考えてッ?!」
「千冬」
その日、私は神に祈った
どうか、どうか彼が…
「次は良い未来で会おうね」
_________場地が不幸になりますように
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餃子(プロフ) - 微生物さん» 了解しました!ご指摘は有り難い事なので言って頂けて嬉しかったです(^^)励みになりました!頑張ります! (2022年4月9日 12時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
微生物(プロフ) - 早めの対応ありがとうございます!設定タグの方も「馬地」になってますので訂正お願いしたいです。何度もご指摘すみませんm(_ _)mこの作品結構好きなので今後も更新頑張って下さい (2022年4月7日 22時) (レス) id: f2927e6a43 (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - 微生物さん» うわ本当だ!ご指摘ありがとうございます、すぐになおします! (2022年4月7日 20時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
微生物(プロフ) - 「馬地」ではなく「場地」ですよ (2022年4月6日 18時) (レス) id: f2927e6a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:餃子 | 作成日時:2022年2月9日 14時