叫び声 ページ25
.
「 ここで合ってる、はず … 」
駅から遠く離れた倉庫にやっとのことで辿り着いた
僕たち。自分勝手なことをしているのは十分分かっているけどそれ以上にAちゃんを僕たちの手で助けたいという気持ちが強かった。
それに、
かっちゃんのことを思うと余計にいてもたっても
いられなかった。
僕らが去年林間合宿でヴィラン連合に襲われた時、
僕はあの一歩のところでかっちゃんを助けることが
できなかった。
だから今のかっちゃんの辛さ、悔しさ、は
痛いほど分かるんだ。
「 どうする、このまま正面突破するか 」
「 そうしたいところだけど、中に何人いるのか。
第一にAちゃんは本当にいるのか、確信が持ててないからね … 」
轟君も、頭を捻らせる。
今の僕らの状況はどう見ても圧倒的に不利。
だからなるべく戦闘は避けたい。
Aちゃんの救出が第一だ
「 おいデク 」
ここに到着した時からずっと黙り込んで何かを考えていたようなかっちゃんが僕らの方を向いた。
きっと、どう助けるか、どの方法が確実にAちゃんを救えるかを考えていたのだろう。
いつでも余裕なかっちゃんだけど自分のせいでAちゃんを拐われたと思ってしまっているに違いない。
少しの焦りと不安が感じられた
「 俺がこの倉庫を爆破でぶっ壊す。その間にてめぇがそのすばしっこい足でAを救出しろ 」
「 爆豪、俺は氷でヴィラン達の行動を制御する 」
「 あぁ。数が多けりゃ俺も加勢する 」
「 も、もし、Aちゃんがそこに居なかったら 」
かっちゃんの目が僕を睨み付ける。
いつもなら怖くて晒してしまうけれど、今日は違う
負けじと視線を逸らさずに見つめる
「 そん時はそこにいる奴ら全員ぶっ殺してAの
居場所吐かせるに決まってんだろクソデクが 」
「 仮に癒入が居なかったとしても、ヴィラン連合の新アジトであることは確かだ。必ず何か情報が掴めるだろ 」
轟君がかっちゃんに加えそう言う。
僕が、Aちゃんを助ける。
Aちゃんの運命は僕にかかっている。
絶対に失敗できない。
「 … よし、それで行こう 」
作戦も完璧に決まり、心の準備も整った。
3人で視線を合わせ、かっちゃんが倉庫に向かって
手を伸ばし、爆破を起こそうとした
その瞬間
「 っああぁぁぁああ！！！！！ 」
耳を塞ぎたくなるようなAちゃんの叫び声が響いた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
以恋(プロフ) - 宙さん» お褒めの言葉ありがとうございます（ ; ; ）続編の方もぜひよろしくお願いいたします！ (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 3b71a2a429 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 作者様爆豪の飴と鞭使い方すごくどストライク(´∇｀) (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - え、何この小説。妄想すると自然と口角上へと向かっていきますね。え、控えめに言って最高です！これからも頑張ってください！ (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
以恋(プロフ) - Omisoさん» うわああ（ ; ; ）素晴らしいなんてとんでもないです！嬉しいお言葉をありがとうございます！続編の方ただいま作成中ですので、今後ともよろしくお願いします！（ ; ; ） (2020年3月3日 10時) (レス) id: c92cf6abc6 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 最後まで読みました！とても素敵な作品で物語の構成の素晴らしさに感嘆しました！！続編の方応援しています！ (2020年3月3日 0時) (レス) id: d4a65dd1ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：以恋 | 作成日時：2020年2月15日 3時
