今度こそ必ず ページ23
.
「 クソがッ！！！！！！！ 」
俺の叫び声だけが響き渡った。
目の前で、俺の目の前でAが傷つけられ、
ヴィランにより拐われた。
癒入A。あいつは不思議なやつだった
後輩となんか絡む必要を感じていなかった俺は
名前すら知らなかった。
のにあいつと話すたび、あいつは自然と
俺の心にスっと入ってきて、
いつからか
あいつのことを自然と考えていた
そんなあいつ、Aを、俺は守れなかった
「 爆豪、ここで嘆いててもなんも始まらねぇ 」
「 んなこたぁは分かってんだよ！！！！！ 」
相変わらず釈迦に触るようなことを言う轟の
胸ぐらを掴み睨みつければグッと下唇を噛み締め
いつにもなく悔しそうな表情をしていた
それは、隣にいるデクも同じだった
「 僕たちのせいだ … 」
「 あぁ？ 」
「 僕たちがAちゃんを守れなかった … ！ 」
この数年でボロボロになった腕をコンクリートに叩きつけるデクの言葉に返す言葉が見つからない。
後輩を連れて行くという危険性、何かあれば俺らが守ってやらないという責任感を全く持って感じられていなかった。
担任からも口煩く言われていたのに。だ。
「 … とりあえず相澤先生に報告する 」
「 ダメだ 」
「 なあ、今がどんな状況か分かってんのか 」
ああ、分かってるよ。十分分かってる。
ここで担任に連絡して、プロヒーローの力を借りて
捜索するのが1番手っ取り早く安全な方法だろう。
けどそこで俺たちがヒーロー達に同行できるだろうか
いくら仮免を取ったからと言って1度接触した俺たち
学生を連れて行くような真似はしねえだろう
俺たちの処罰なんてどうだっていい。
仮免剥奪だって上等だ
それでも、
「 俺らが迎えに行かなきゃ意味ねぇだろうが 」
今度こそAをこの手で救いたい。
恐怖と痛みで涙を零すAの顔が頭から離れない
精一杯勇気を振り絞って差し伸べた手を俺は、
俺は握ることができなかった
「 デク、てめぇも同じこと考えてんだろ 」
「 …… ああ。轟君、ごめん 」
ゆっくりと立ち上がり俺らの方に向き直るデクは頷く
轟にも俺の意思が伝わったのか、取り出したスマホを制服のポケットへと閉まっていた。
「 ……… ぶっ殺してやる 」
インターンで探っていたヴィラン連合の新アジト。
前々から居場所は頭にぶっ込んである。
必ずあいつらはそこに向かったはずだ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
以恋(プロフ) - 宙さん» お褒めの言葉ありがとうございます（ ; ; ）続編の方もぜひよろしくお願いいたします！ (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 3b71a2a429 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 作者様爆豪の飴と鞭使い方すごくどストライク(´∇｀) (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - え、何この小説。妄想すると自然と口角上へと向かっていきますね。え、控えめに言って最高です！これからも頑張ってください！ (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
以恋(プロフ) - Omisoさん» うわああ（ ; ; ）素晴らしいなんてとんでもないです！嬉しいお言葉をありがとうございます！続編の方ただいま作成中ですので、今後ともよろしくお願いします！（ ; ; ） (2020年3月3日 10時) (レス) id: c92cf6abc6 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 最後まで読みました！とても素敵な作品で物語の構成の素晴らしさに感嘆しました！！続編の方応援しています！ (2020年3月3日 0時) (レス) id: d4a65dd1ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：以恋 | 作成日時：2020年2月15日 3時
