【及川徹】重ねて、忘れて純愛【HQ】 (ページ23)

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うちの研究室のハロウィンパーティーは割と本気のハロウィン。
仮装も飾り付けもしっかりする。

教授がハロウィン大好きだからなぁ。
私や院生が飾り付けをしているところに及川くんが入ってきた。

「お疲れ様です、ってそんなにやるんですか？」

「やるよー、手抜いたら教授怒るし、徹も手伝って」

友人がそう言うと、及川くんが身長を活かして高いところの飾り付けを担当する。

ジャック・オー・ランタンやロウソク、ハロウィン風のシールを部屋に飾り、気分を盛り上げていく。

「わっ」

私が背伸びをしてモールをテープでとめていると、及川くんが私の後ろからモールを奪う。
テープを催促するものだから、切って渡すと笑って言う。

「ありがとうございます、こういうの言ってもらえればやるんで」

「え、あ、ありがとう……」

必死に背伸びをしてる理系男子は無視なのだろうか、と思うと少し可笑しい。
あ、と声を漏らしてその男子の元へ向かう及川くん。

貸してください、と言って高いところの作業を引き受けてくれる。
及川くん、やっぱり優しいんだな。

あの人は及川くんほど背は高くないから、ああやって代わったりはしないんだろうな。

気を抜けば重ねてしまう癖、どうにかしないとダメだな。
テープを持っている私を及川くんが呼ぶ。

顔に出てないよね、と頬を軽く撫でて及川くんの元へ向かった。