【天童覚】日常ロマンティック【HQ】

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*天童side




「開けてみろよ」

「えー」


俺はリボンを解いて、中身を見る。
そこにはメッセージカードとトリュフが4つ入った箱があった。

カードを見る暇もなく、鐘が鳴ってしまい慌てて袋をカバンにしまう。
英太くんも同様にさっさと席に座る。


「天童、号令」


そう先生が促す。
そっか、今日日直だったっけ。
俺が号令をかけると、授業が始まる。

カード、なんて書いてあるんだろう。
若利くんがわざわざ書くようにも思えないし、Aさんからだって思いたい。

そんなこんなで授業を過ごす。
さっさと見てしまえばいいものの、何かと理由をつけて見ようとしない俺。

ついに放課後。
日直で日誌を書くために教室に残る。
俺しかいない教室、見るなら今しかない。


「……よし」


騒ぐ胸を抑え、ゆっくりとカードを取り出す。
カードひとつでこんなに一日中振り回されるなんて。

俺はひっくり返して、内容を確認する。


『天童くんへ
すごく頑張ったつもりだけど
気になっちゃうところあるかも
でも食べでくれると嬉しいです
すこし甘すぎるかも Aより』


普段文章を書くAさんにしては雑で、変な文が繋がる。
俺はしばらく考えたあと、カードを握って走り出した。

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