強欲 ページ23
「御両親とはちゃんと話し合いをすること。それなまでに時間が必要って言うんなら事情も事情だし、泊めてあげます。でいい？」
「はい。ありがとうございます。」
いつもの豪快な口調をぴたりと沈めて、かっちゃんのお母さんはそういった。姿を消していた時間をかっちゃんのお母さんから消したことで、私とかっちゃんは何ら変わらず小学校からの幼馴染み、ということになっている。
だからこそ普通のガールフレンドというよりは許可がおりやすかったのだろう。
「それにどうせまた勝己が無理いった感じなんでしょ？Aちゃんあんまそういうこと言い出すタイプでもないし。」
バシッと隣に座るかっちゃんの頭を叩きながら、次の一言目には既にいつもの雰囲気を取り戻していた。
「ざっけんなクソババア！！」とぎゃんぎゃん吠えまくるかっちゃん。しかし容赦なく爆豪母は燃料を注いでいく。
「しっかしもう付き合ってたなんてね〜？勝己がAちゃん好きなのはばっればれだったけど。....Aちゃんほんとにこんなんで大丈夫？」
「は...はい。かっちゃんは昔から私のこと気にかけてくれてましたし、優しい人だと....思います。」
「気にかけてたなんてもんじゃないわよこいつったら、もう何かとAちゃんのこととなるとキレたりは騒いだりでもう....」
「てめえら好き放題言ってんじゃねえよんなわけねえだろぶっ殺すぞ！！」
頑張ってかっちゃんを恋人にする理由を考える褒めてみるけれど、まあ、悪い意味ではかなり気にかけられていた気がする。
でも、そっかそっか。かっちゃんのなかで私はちゃんと幼馴染みだったんだ。
彼のおこす癇癪を単なる物欲と同視していた私は、少しだけ嬉しかった。
「Aちゃん必要なもの何も持たないできたの？」
「あっ...はい、そういえば。」
一緒にファーストフードでも行くようなつもりできたから、そりゃ。
家族と大喧嘩中という設定付きでは、堂々と家にも帰れない。「親御さんに一言くらい連絡入れておいた方が....」と現実的なことを言い始める母親から逃げるみたいに、かっちゃんは私の腕を引いた。
「いくぞ。」
「えっちょっ」
言われるまま連れていかれる私をみて、「ほんっと、あんたら。」と笑われてしまった。
触れた肌から伝わる脈が、異性を意識させる。骨ばったそれは私を離したくないって言うみたいに、強く、掴んでいた。
かっちゃんが私を留めておきたいと思う、それはただの強欲か執着か。それとも、
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23.4度(プロフ) - ましろんぬさん» 他も見てくださったんですか....泣ありがとうございます！ご感想本当に励みになります！ (2017年10月12日 19時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - ぼうﾆﾝさん» 遅くなり申し訳ないです！こちらでもコメントありがとうございます...!!ご感想頂き本当に嬉しいです。ついったーの方でもよろしくおねがいします！ (2017年10月12日 19時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
ましろんぬ(プロフ) - 素敵なお話ですね。他の作品も好きです。更新頑張ってください。 (2017年10月9日 0時) (レス) id: 1785f6c6df (このIDを非表示/違反報告)
ぼうﾆﾝ(プロフ) - キャラの矢印の方向やストーリーがどすとらいくすぎて感動しました泣 これからも応援しています!! Twitterでイラスト拝見させていただきましたが､小説もクオリティ高くて尊敬しちゃいます~!! (2017年10月5日 21時) (レス) id: 64374fa942 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - お気に入りありがとうございます！更新滞り気味で申し訳ないです...。この後もお付き合いいただければと思います！ (2017年9月30日 17時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月7日 20時
