突撃 ページ13
｢デクくん！！来ちゃった！｣
｢ええっAちゃん！？｣
学校を出てそう経たないうちに、背後から思い切り肩を叩かれた。
突然の衝撃に悲鳴をあげて振り返れば、今日1日僕の思考を支配していた当の本人、幼馴染みが立っている。
｢デクくんその子誰？｣
｢その制服、他校の知り合いか？｣
麗さんと飯田くんからの質問に応えようとすれば、｢はじめまして、デクくんとお付き合いしてます！｣とAちゃんに先を越されてしまう。
いやいやいやなんかこれは間違いなくまずい...。
｢ええええっ！？！？」
ちょっとどういうことデクくん！！と麗さんに揺さぶられ、弁解する余地すら与えてもらえない。
飯田くんに至ってはずり落ちたメガネを直しながら何か叫んでいるが、どう誤解を解くか考えることに必死な僕はよく聞き取ることが出来なかった。
｢ち、ち、違うんだ！恋人とかじゃなくてただの幼馴染みというか...あ、いやでも今は一応そういう関係ってことになってるけどでもそれは仮ってことだから実際はそうじゃなくてーーー」
｢ご、ごめんデクくん。ふざけすぎた...落ち着いて。｣
デクくんの幼馴染です、と改めて正しい自己紹介をすれば、やっと状況を理解出来たように2人は苦笑いを浮かべた。
青シャツにリボンを揺らす彼女に手を取られ、半ば誘拐されるの今日は金曜日である。
｢デクくんのこと借りちゃうね！」
｢えっちょっ｣
勢いよく腕を引かれて遠ざかって2人は、ぽかんとしながらこちらを見つめていた。
早歩きの彼女に引きずられる形で人混みに突っ込んでいく。駅に入り電光掲示板を眺めながら｢まだちょっと時間あるね。｣なんて言ってパスケースを取り出した。
｢今から遠くに行こう。｣
｢ダメだよ！たしかに学校は休みだけど、泊まるところとかどうするの！？｣
｢それはね、ぜーんぶ大丈夫！デクのお母さんにも言ってあるし。」
｢そんなのいいって言うわけ....｣
｢私の家にお泊まりってことになってます。｣
｢いやそれすごいダメなやつ！｣
目の前の幼馴染みは素っ頓狂なことを言い出す。
着替えもお金も何も無いのに。こんな教科書の詰まったリュックを背負って、予習も復習もトレーニングも放り出して。
｢2泊3日の突撃旅行！月曜日にはちゃんと帰ってくるから。｣
改札機の前で拳を掲げる彼女は、自信満々に鞄からチケットを取り出した。
指定席、二人分である。
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23.4度(プロフ) - ましろんぬさん» 他も見てくださったんですか....泣ありがとうございます！ご感想本当に励みになります！ (2017年10月12日 19時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - ぼうﾆﾝさん» 遅くなり申し訳ないです！こちらでもコメントありがとうございます...!!ご感想頂き本当に嬉しいです。ついったーの方でもよろしくおねがいします！ (2017年10月12日 19時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
ましろんぬ(プロフ) - 素敵なお話ですね。他の作品も好きです。更新頑張ってください。 (2017年10月9日 0時) (レス) id: 1785f6c6df (このIDを非表示/違反報告)
ぼうﾆﾝ(プロフ) - キャラの矢印の方向やストーリーがどすとらいくすぎて感動しました泣 これからも応援しています!! Twitterでイラスト拝見させていただきましたが､小説もクオリティ高くて尊敬しちゃいます~!! (2017年10月5日 21時) (レス) id: 64374fa942 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - お気に入りありがとうございます！更新滞り気味で申し訳ないです...。この後もお付き合いいただければと思います！ (2017年9月30日 17時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月7日 20時
