64 真実と葛藤（あなたside） ページ24
あ「そ…それはどういう…」
あまりの衝撃に可能性に気付いていても聞き返さずにはいられなくて四方さんを見る
彼の見た目はとても若くて、父親だとはとても思えない
四「…君は僕が18の時に生まれたんだ、幼馴染で許婚だった宜子さんに僕は酷で無責任なことをした」
私の悪い夢はどこまで続くのだろう
四「彼女の妊娠がわかったとき、世間体を気にした僕の父が認知を許さなかったんだ」
私はやはり、誰からも…
あ「…その話が事実だとして、なぜ今更私に？」
意図せずとも冷やかに声が出て、嫌気がさす
私の冷やかな目から逃れようともせず、四方さんは1通の手紙を取り出した
封筒には、Aへ と書いてある
四「2週間前に宜子さんから郵便物が届いて、その中にこれが
彼女は自分が狙われていることに気付いていたようで、何かあれば渡してほしいと」
言葉が出ずにいると
原「それでね、Aちゃん、DNA鑑定をして親子関係が認められたら、四方さんの戸籍に入るのはどうかな？今のまま二宮くんとの義兄弟関係が外に漏れたら、今後大変なことになる
すぐにでも二宮の籍から抜けたほうがいい」
原田さんの口ぶりから親子関係はほぼ確定なのだろうとわかる
でも…
あ「…四方さんはそれでいいんですか、こんな利用されるような扱い
ご家庭もあるでしょうし」
四「僕は、君のためにできることならなんでもする。父親としての責任を今からでも果たしたいと思うよ」
四方さんの表情からは、嘘や偽りを感じられなくて、それでも容易には受け入れられなかった
あ「…少し考えさせてください」
私の言葉を聞き、2人はアパートを離れていった
あ「…和、ごめんね」
また、和の知らないところで動いてしまうみたい
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作者名：にのもと | 作成日時：2021年9月13日 1時
