叶わないはずの恋2 Ninomiya (ページ23)

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63 唐突な出会い（あなたside）ページ23

和に対してひどい電話をした翌日から、私は休む間もなく動いていた

静岡第二警察の方がアパートに来て、お母さんの最後を聞き、お葬式の手配と遺産相続、お母さんが住んでいたアパートの引き払いなど、目が回るような日々

戸籍上では、親子関係でないとしても生みの親で他に親戚などもいないことから、女優の仕事をお休みしてすべて私が取り仕切っていた

お葬式は天気に恵まれお母さんの知人の多い静岡で行った

報道などもされないように粛々と

関連する行事が終わり、約一週間ぶりに東京のアパートに戻った

あ「…ふぅ、やっと終わった」

ここ数日息をつく暇もなくて、思わずそんな言葉が漏れる

このままソファーでひと眠りしようかと考え始めたとき、来客を知らせるベルが鳴った

私は玄関に行きドアを開ける

そこには、原田さんと、身に覚えのない男性の姿

原「Aちゃん、色々とお疲れ様だったね

疲れているだろうと思ったんだけど、早急に相談したいことがあって…」

あ「どうぞ、上がってください」

リビングに二人を招き三人分の飲み物を出したところで早速話が始まった

原「数日前、こちらの四方鷹弥(ｼﾎｳﾀｶﾔ)さんが事務所にいらして、どうしてもあなたと話がしたいって」

その言葉に、四方さんは、私に名刺を差し出した

四「…初めまして、四方と言います

Fabulous Flowers グループのオーナーをしています」

ファビュラスフラワーズグループと言えばホテル業界を代表する大企業だ

質の高い接客、品のある内装、厳重な警備体制などから、多くの芸能人や世界の要人に人気のホテルだ

あ「…そのようなお方が、私に何か？」

四「……」

四方さんは言葉を選ぶように黙ってしまったので、原田さんに目で問いかける

原「落ち着いて聞いてほしいんだけど…、AちゃんにDNA鑑定を受けてほしいの」

その言葉に、唐突にある可能性が駆け巡った