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29 伝える覚悟（和side） ページ29
部屋に荷物を置いてリビングに戻ると床に座り込んでいたA…
和「A？…」
名前を呼ぶとﾋﾞｸｯとして、ゆっくり俺を見た
その顔は泣いていて驚いたけど、電話を見るとだいたい予想がついた
電話に近づき再生ボタンを押そうとすると
あ「…だめっ！！」
Aが震えながらも強く制止しようとする
俺は一度Aに視線を合わせ、俺の腕を強くつかんだ彼女の手を包みながら、ボタンを押した
内容は言うまでもなく予想通り
これをなぜA1人で聞かせたのかと自分自身に苛立った
あ「和…」
不安そうに俺を見上げたAを抱きしめる
Aは素直に身を預けてきた
普段からあまり取り乱したりしないAは、こんな状況でも静かに泣いている
もうここまで来たら真実を話すしかない
電話の主がここに来る日に彼女の前で俺から話そうと心に決めて
Aを抱く腕に力を込めた
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作者名：にのもと | 作成日時：2021年1月16日 1時
