叶わないはずの恋 Ninomiya (ページ17)

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17 自分の気持ち（あなたside）ページ17

目が覚めて最初に見たのは加音の寝顔

時刻は5時になろうというところ

いつもの習慣で早く起きてしまった

昨日、彼女に全てを話した時にはさすがに嫌われるかと思ったのに、応援すると当然のように言われて驚いた

あ「…普通はあり得ないと思うはずなのに」

加「何が？」

心の中で呟いたと思った言葉が声に出てしまったらしい

加「おはよ！ねーぇA、今日ちょっとお願いがあるんだけど…」

そういたずらっぽく笑った彼女のお願いとは

加母「あら？

おはよう。早いわね、よく眠れた？」

あ「おはようございます。昨日は急にお邪魔してすみませんでした

それで、あの…」

加「ねぇ、母さん

今日の朝ごはんとお弁当Aに作ってもらってもいい？」

加母「作ってもらうって加音、それはお客様に失礼じゃない？」

あ「いえ、私なら大丈夫です。むしろ泊めていただいたお礼として作らせていただけたらと」

加音のお母様はとても女性らしく優しい方

こんな勝手なお願いにも柔らかく微笑みながら

じゃあお願いしてもいいかしら

と許してくれた

普段は二人分の料理しかしないから少し緊張したけど

結局加音と二人で準備した

加音のおうちのコンロは四つ口で朝食分とお弁当分で効率よく作れて楽しかった

加「お弁当はミニハンバーグが食べたいなぁ」

唐突に言いだした加音を見ると小悪魔っぽく笑ってた

加母「あ、そうだお弁当箱はこの5つ使いなさい

加音たち3人とAちゃんと和也くんに

和也くんお昼なかったら可哀そうよね、可愛いシェフさん借りてしまったし」

なんて可愛らしく仰るお母様を見ると彼女たちの血の繫がりが明確に見て取れた

あ「ありがとうございます。お借りします」

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加「いやぁ…Aってほんと料理上手だよね、和くん羨ましい」

朝食はみんなに好評で安心した

お家をでて登校している最中ずっとこんな感じ

なんか嬉しくて恥ずかしい

加「私の予想では…和くんAの鞄も持ってきてると思うよ？」

あ「…え？」

加「実は昨日夜に電話したの、家飛び出したって言ってたから」

昨日の出来事を思い出すとどんな顔をして会えばいいかわからない

でも加音が応援すると笑ってくれたから勇気を出そうと思った

加「あ、ほらいるよ」

校門が見えてくるとその前に彼はいた

2つの鞄を持って