北一出身の白鳥沢男子

26球目 ページ28

1セット目も中盤に入ってきた。でも、流石県No.1セッター。トスが凄く上手い。

及｢岩ちゃん！｣

　そして、岩さん。前回の練習試合の比ではないくらい、スパイクが重くなっている気がする。

｢うーん。難しいな.......｣

　それに加えて、松川さんのブロック。あれはやなヤツだ。｢止める｣ブロックより｢打たせる｣ブロック。コースを誘導させて、味方が取れやすいようにする。厄介だな.......。

白｢牛島さん！｣

　かと言って、こっちが負けている訳では無い。みんな調子が良いみたいで、それなりに攻撃は決まっている。

及｢国見ちゃん！｣

　.......国見？懐かしい名前が聞こえて、思わず顔を凝視してしまった。英、青城行ったのか。やっぱり、無気力スタイルは変わらないなぁ。あ、勇もいるじゃん。

鷲｢どうだ？もうすぐ試合も終わるが｣

｢.......及川さんのこと、凄く嫌いです｣

鷲｢.......｣

｢でも、あんなに仲間のことを考えているセッターはいません｣

鷲｢.......ほう｣

｢逆に、仲間を潰してしまえば.......｣

　そう。あんな仲間思いのセッターなら、仲間が潰されかけていても、そいつを使い続けることが出来るのか.......。

鷲｢.......犯罪にならない程度にな｣

監督が目を細めて僕を見る。

｢はい｣

　返事をした時、第1セットを閉める笛が鳴った。どうやらこっちが勝ったようだ。

｢お疲れ様です！天童さん！太一さん！素晴らしかったですよ！｣

メンバーがコートから帰ってきた。

天｢おう！ありがト〜｣

太｢お前の方はどうだ？相手の攻略出来そうか？｣

｢はい。それなんですが.......｣

その時、監督が口を開いた。

鷲｢1セット目お疲れ様。正直に言って、かなり危なかったと思う。何回かひっくり返された場面もあった。2セット目について海麗から伝えたい作戦があるそうだ｣

そう言われて、僕はとある作戦を話し始めた。

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