心 拍 数 #2

４ ３ 拍 目 ページ8

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「ちょ、真菰！！なんで……」


「Aちゃんは無一郎くんと話す機会も作った方がいいよ〜。炭治郎くんとは、後で”とっておきの時間”に二人きりにさせてあげるから。ねっ？」




真菰はふわふわっと微笑むと、顔を赤く染めてるアオイちゃんに「頑張ってね」と囁いた。
バッと有一郎をにらむけど、バッと顔をそらされた。なんでだよ！！逃げんな！！




「だって〜。禰豆子ちゃん、どこ行きたい？」


「え？えっと……金魚すくい、とか」


「おっしゃあああ！！アオコ、行くぞ！！」


「えっ、伊之助さん！？そしてアオコじゃなくてアオイです。いい加減覚えてください！」




善逸と禰豆子ちゃんは幸せそうな雰囲気で話しだしちゃってるし、アオイちゃんは伊之助に無理やり引っ張っていかれている。
……うん、リア充爆発しろ。

……確かに真菰の言う事は一理ある。
無一郎の「好き」に、私は目を背け続けている。知らないフリをしている。
ちゃんと話す機会は作った方が、いい、んだろうけれど……。
わざわざ夏祭りで話す必要よ！！

それに……。
チラリ、とカナヲの方を伺う。
カナヲは少し頬を染めながらも、私の視線に気づくとグッドサインをしてきた。
大方「頑張るね」という意味だろう。……私はそれを知りたくてカナヲを見たわけじゃないんだけどなぁ。




「じゃあカナヲ、行こうか」


「え、あ、うん！」




「見て、あの男の子めっさイケメン！」


「隣の女の子も可愛いよ。浴衣可愛いし。お似合い〜」


「美男美女カップルってやつ？素敵だよね、羨ましい」




……やっぱり、炭治郎とカナヲはお似合いだよ。
勝てる気がしないもん。何もかも。
なんかもう、苦しい。痛い。
夏祭りに来て早々、帰りたくなった。家に帰りたい。ひとりになりたい。




「A、」


「あっ、ごめーん。暑くてぼーっとしてた。行こ行こ！！」




「見てよ、あっちのロングの男の子、めっちゃ美少年！！やばいよ、色気！！」


「……でもさ、ぶっちゃけ隣の女の子そこまで可愛くないよね」


「美人っちゃ美人だけど……さっきの子と比べると、ねえ。なんか普通」




わかってる。
言われ慣れてる。
カナヲが可愛くて、私は普通。カナヲは可愛げがあるし、素直だし、すっごく可愛いんだよ。
私は3人の引き立て役だってこと理解してるし、それに文句はない。
……でも。




カナヲになりたい。
なんて、思っちゃうんだ。




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