52話 ページ5
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ここがどこだかはわからない。
それは、なにもないから。
白、白、白。
さっきまで夜を示す暗さだった空も、灰色に満ちたコンクリートの地面も、そばにいたはずのツナも、ない。
全てが、白い。
誰もいない。
全て、幻でも見ていた、と錯覚してしまうほどに、優しく消えた。
記憶はある。
私はさっきまで、山本とスクアーロの戦いを見ていた。モニターに映る悲しそうで、悔しそうな山本を見ていた。
その直後、私は意識を失って……。
意識を、失った…。
なら、これは夢？
そうだ、夢だ。
言い聞かせるように、願うように夢だと呟く。
そしてふと、右手に固い感触を覚えた。
「指輪………？」
一言で言えばかっこいい。
けど、不気味さもあった。
「何か出てる…」
白い煙のようなものが、その指輪から弱々しく出ていた。
「これは…？」
［それは、未来を示すリング。］
「未来………？」
不思議と、その正体を求めようとはしなかった。
［貴方の行く末を示すリング。
周りをご覧なさい。］
顔を右に向ける。
「ーーーーーッ！！！！」
そこには、なかったはずの死体が転がっていた。
血を撒き散らし、救いを求めるように私の方に向けられた手。
見たくないと言う本能に、勝手に首が左を向く。しかし、そちらに広がるものも先と同様の悲劇だった。
「な、に、これ…」
そして目の前には、見覚えのある髪色。
「ツナ………？」
そう、ツナだ。
血みどろになった、無残な姿のツナが、目の前に。
何も喋らない。
何も言わない。
私を見ていない。
「あ……あぁ…」
これが、未来なら。
「…やだ…………」
決められた運命なら。
「やめて…」
変わることのない悲劇なら。
「だめ……死なないで………ッ！！！」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
次の瞬間、私は目を覚ました。
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聖香(プロフ) - ありがとうございます！投稿亀更新ですが、これからもどうかよろしくお願いします！なるべく早く投稿できるよう、頑張ります！(｀・ω・´) (2019年5月18日 12時) (
レス) id: 0c802fd0d8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続きが楽しみにしてます (2019年5月16日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柏 | 作成日時：2019年4月8日 15時
