とうぇんてぃ ページ25
目を覚ました。
目覚めは最悪。何故なら夢を見たから。
あの日の夢を。
どうして忘れたいことに限って忘れることが出来ないのか。
喉はカラカラで、頭痛は酷くて、胸元のミミズ脹れがピリピリ痛痒い。
あの日の夢を見るのは苦痛だ。
でも悲しいことじゃない。もう後悔したって何も起きない。何も変わらないから。
悲しくないはずなのに、瞳からはポロポロと涙が出た。
目を擦って涙を拭おうとしたが、目が腫れては恥ずかしいので止めた。
その代わり、よく小説で出るやつ。なんだっけ。ああ、そうそう。「僕は枕を濡らした。」
するとコンコンコンとノックが聞こえた。
きっと幹部様だろうけど、今は泣いているので出たくなかった。無礼は承知だが恥ずかしすぎる。
というか、今は...？
ベッドの横にある机の置時計を見ると深夜2時を過ぎたとこ。
コンコンコン、とまたノックされる。
もしかして何かあったのだろうか。こんな時間に誰かが来るなんて。
でも返事はできないし、車椅子はあともう少しで手が届く、くらいの位置に置かれているため、アクションが何も出来ない。
どうしようかと困っていると、
sn「入るね〜」
という、良く言うと優しい声、悪く言うと能天気な声と共に軍医のしんぺい神様が入ってきた。
泣き顔を見られたくなくて布団を頭から被り、寝たフリをする。
すると無慈悲に布団は剥がされた。
sn「ごめんね。ここ監視カメラがついてるんだ。だからAさんが起きてること知ってるんだ。あ、ベッドの所だけだから安心して？Aさん、倒れちゃったのは憶えてる？...って、どうしたの？」
泣き顔を全力で真正面から見られて。羞恥心で軽く死ねそう。
スケッチブックをとり、ペンを＿＿＿＿＿＿＿＿
あれ、ペンどうしたっけ。
嗚呼、ショッピ様から質問されて、何だか手が震えて、ペン落としたっけ。
どうしよう。
ああ、スマホがあるじゃないか。
僕はスケッチブックを横の机に置いてスマホを使う。
『分からないんです。何も悲しくないんです。なのに、勝手に出てきて。』
メモ機能の所にこの文を打っている間も涙は止まることを知らなくて。
sn「どうしてか分からないのかぁ。そっかぁ。でも大丈夫。」
え？
僕の疑問を見透かしたように彼は続けた。
sn「心当たりが無いのに涙が出るってことはサインだよ。君が表に出せない感情を表すサイン。だから安心して１回泣いちゃおう？」
僕の頭を撫でながら。
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Nanaki(プロフ) - ノエルさん» 完結させて頂いた！！コメントありがとうございます！ノエルさんのその一言が次の作品を書く意欲につながります！ (2019年11月17日 23時) (
レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - なみだめさん» おめでとうコメントをありがとう！なみだめさんを楽しませることができて嬉しい！！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - mo4さん» mo4さんのコメントで更新頑張れました！読んで頂けたうえに面白いと言っていただけて幸せです。ありがとうございます！！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - あめさんさん» しっかり読んでくれてありがとうございます！命令系敬語がすき...同士ですね！？いやこれ同士だわ。(確信)次の作品ももし良ければ読みやがれ下さい！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - yukinaさん» ありがっと！次の作品もよろしくです！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nanaki | 作成日時：2019年11月2日 2時
