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「じゃあ私、出かけてくるから」
「待ってや、どこ行くねん」
「…そんなの、鬱くんに関係ないでしょ」
「関係あんねん。どうせこの前電話しよった男ちゃうん?行かん方がええやろ、そんな奴すぐにホテル連れてって身体目的やろうし」
「・・・だったら、なんなの。鬱くんだって女の子とホテル行ってたんじゃないの」
「…そう思われても仕方ないんやろうけど俺は行ってへん」
そうやって話す間にもAは靴を履いて立ち上がり鞄を持って立ち上がる。
黙ったまま、無言で。
そして玄関の扉のドアノブに手をかけたところで俺もAの色白で細い腕を強く掴んだ。
「・・・っ、な、何」
「ダメや、行くな」
「は、はぁ?だから鬱くんには関係ないって・・・」
「俺の彼女が目の前で他の男んとこ行こうとしとるのを見てはい、行ってらっしゃい?そんなんなるわけないやん」
「・・・・・」
流石にAも普通の女の子やから。
一応成人の俺の力には到底適うはずもなく、Aは俺の事を見ずに玄関に立ち尽くす。
「・・・靴脱いで、とりあえず俺の部屋来て」
「な、なんで」
「ええから。来てや」
強めの口調でAに反論させずに淡々と告げる。Aは小さく分かった、と言って靴を脱ぐと振り返って俺の事を少し睨みつけた。
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作者名:人形傀儡 x他7人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/setting.php
作成日時:2022年7月25日 16時