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「もう帰りますね」

そう言って立ち上がると、後ろのソファーで雑魚寝している皆さんの姿が目に入る。

全員に律儀にブランケットがかけてあって、(きっと坂田さんがやったんだろうな)と思うと、坂田さんの優しさに心が温かくなった。


そのまま突っ立っていると、坂田さんは暖簾をくぐってお店の外に出てしまう。

「え……坂田さん?」

「送ってってやらァ。
ちょいと酒呑んじまったから原チャじゃ送ってけねェが……」

「いえ……全然大丈夫です。
むしろ、送って貰えてありがたいです」

「あー、気にすんな。
後で土方くんとかにギャーギャー言われてもめんどくせェし」





そう言った坂田さんに続き、皆さんに向けて帰るという旨と後片付けは明日しにくる旨をメモ書きし、カウンターの上に置いてから、私も暖簾をくぐってお店を出た。









.









「今日のご飯、どうでしたか?」

帰り道。

電柱の辺りだけが頼りの道で、私は隣を歩く坂田さんに問いかけていた。


「普通に美味かったぜ?」

「それはよかったです。
慣れていないものばかり作ったので……少し心配だったんです」

「結構マジで美味かったよ?
……てかさAちゃん。
あの量の飯作んの大変じゃなかった?」

「確かに、少し大変でしたけど……。
お登勢さんたちも手伝ってくれましたし、皆さんに喜んでもらえたので、よかったです」


そう言うと、坂田さんは「そういうもんか?」と首を軽く傾げる。

「……ま、Aちゃんらしいっちゃらしいか」

「……?どういうことですか?」

「いーや?何でもねェよ」









そうやって他愛もない会話を繰り返しているうちに、屯所が見えてきた。

「もうすぐそこですし、ここまでで大丈夫です。
ありがとうございました、坂田さん。
わざわざ送っていただいて……。
お喋りもとっても楽しかったし、今日は坂田さんの誕生日なのに、私が甘やかされた気分です」

素直にそう言うと、坂田さんはじっと私を見つめた後に、「あのさァ……」と頭をガシガシと搔いた。


「誰にでもそういうこと言うの、やめたほうがいいよ?
勘違いされた男どもに何されても知らないよ?」

そう言って坂田さんは私の後ろに目を向けた。

「あーでも、余計なお世話か」

「え?」


声を上げると同時に、ぐいっと腕を引かれて少しよろける。

驚いて後ろを見ると、「遅ェ」と眉を寄せたそーくんと目が合った。

「そーくん」

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 神威   
作品ジャンル:アニメ
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赤羽@美羽(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2020年3月13日 9時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ面白いです!さっそくお気に入り登録しちゃいました!更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2020年3月12日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年9月11日 7時

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