九輪 ページ10
「うん、もうすっかり元気だよ。
心配かけちゃってごめんね」
「ううん！
Aが元気ならいいアル！」
笑顔で言ってくれた神楽ちゃんを、(良い子だなぁ)と思いながら見つめていると、定春くんが私に擦り寄ってきた。
「定春くん、久し振り」
ゆっくりと撫で、ふわふわの毛に顔を埋める。
(あったかいなぁ)
まだ定春くんと会ったのは2回目だけれど、既に私は定春くんのふわふわの毛皮の虜になっていた。
「A、これ何アルか？」
定春くんの毛皮を堪能していると、神楽ちゃんが訊いてきた。
「あ、あのね、万事屋に行こうと思ってたの。
この前貰った名刺の裏にある地図の通りに行けば行けると思って……。
これは、万事屋の皆さんへのお土産」
「お土産」というワードに顔を輝かせた神楽ちゃんを視界に入れながら、私は懐から坂田さんに貰った名刺を出す。
「万事屋に名刺なんかあったアルか。
知らなかったアル」
「え……」
私は驚いて訊く。
「神楽ちゃん、名刺のこと知らなかったの？」
神楽ちゃんは頷き、「知らなかったアル」と言った。
「どうせ新八が作ったアル。
銀ちゃんが作るわけないネ。
私の分はないなんて、新八の癖に生意気アル」
「あとで絶対作らせるネ」と怒ったような表情で言った神楽ちゃんは、くるっと表情を変え、笑顔で私に言った。
(くるくる表情が変わる子だな……可愛い)
「A、どうせなら一緒に行こうヨ！
この前紹介できなかったかぶき町のことも教えてあげるネ！」
「いいの？」
定春くんと遊んでたんじゃ……、と、定春くんのことをチラリと見ると、「遠慮はいらないネ！」と言ってくれる。
「じゃあ、お言葉に甘えて……」
そういうと、神楽ちゃんは嬉しそうに頷き、「行くアル！レッツゴー！」と言い、私の手を引いて歩き出した。
.
「……それで、ここが万事屋アル！」
「ここが……」
私は、神楽ちゃんにかぶき町のことを教えて貰いながら、万事屋へと到着していた。
そこは二階建ての建物で、たしかに「万事屋銀ちゃん」と看板が出ている。
「一階はバーさんがやってる「スナックお登勢」アル。
二階が万事屋ネ！」
「『スナックお登勢』？」
訊きながら見ると、たしかに「スナックお登勢」と看板が出ている。
どんな人が経営してるんだろう？と考えていると、神楽ちゃんが私の腕を取って言った。
「A！早く行くアル！
お土産ケーキなんでしょ？
早く食べたいアル！」
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赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» いつも読んでくださりありがとうございます！そういうことを言っていただけると、とても嬉しいです！創作意欲につながります！更新頑張ります！ (2019年6月20日 7時) (
レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - お久しぶりです！更新ありがとうございます！いつも楽しく読ませていただいてます。土方さんと一緒にいる主人公ちゃんを見て怒る沖田さん。主人公ちゃんに優しい沖田さん好きなのでこれからも楽しみです！ (2019年6月19日 19時) (レス) id: 98522d48ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤羽@美羽 | 作成日時：2019年3月28日 16時
